記事一覧:商品市場 透視眼鏡95

  • 原油、金、銅は下落基調続くも下値を切り上げる石炭、鉄鉱石

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    原油、金、銅は下落基調続くも 下値を切り上げる石炭、鉄鉱石

    2013年12月7日号  

    株式を中心にリスク資産が買われているが、国際商品はそうした動きから、取り残された感がある。例えば、原油は、イランの核開発問題をめぐる緊張緩和が価格押し下げ要因になっている。イランでは8月に保守穏健派のロウハニ大統領による政権が発足し、米欧との緊張が緩和しつつある。11月24日には、同国と6カ国(米英仏中露独)が、核問題の全面的解決に向けた3段階の措置のうち「第1段階」で合意した。

  • 米景気停滞懸念で原油下落も量的緩和継続で底堅い金・銅

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    米景気停滞懸念で原油下落も 量的緩和継続で底堅い金・銅

    2013年11月9日号  

    10月22日に米政府機関の一部閉鎖により遅れていた9月分の雇用統計が発表され、雇用者数は前月比14.8万人増にとどまった。

  • 米国の量的緩和縮小先送りと世界景気減速懸念で横ばい続く

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    米国の量的緩和縮小先送りと 世界景気減速懸念で横ばい続く

    2013年10月12日号  

    現在の国際商品市況は、品目ごとに異なるリスク要因で相場が動いている。日々相場の方向性が変わる品目が多く、全体としては明確なトレンドが見えにくい。金は、米国の金融政策に敏感である。9月18日にはFOMC(米連邦公開市場委員会)の量的緩和縮小(テーパリング)先送りを受けて大幅に上昇した。縮小開始時期に関する市場予測が大幅に後ずれしたためだ。

  • シリア情勢緊迫化で原油上昇も介入後は早期終結期待で下落か

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    シリア情勢緊迫化で原油上昇も 介入後は早期終結期待で下落か

    2013年9月14日号  

    シリア情勢緊迫化を受けて、原油価格は一段高となった。8月26日に米政府は「化学兵器をアサド政権が使用したことにほぼ疑いの余地はない」との見解を示し、27日にはオバマ大統領からの命令があればシリアを攻撃する準備ができているとの米国防長官の発言が報道された。

  • 米景気回復で製造業生産増加今秋以降商品市況は上向く

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    米景気回復で製造業生産増加 今秋以降商品市況は上向く

    2013年8月17日号  

    世界的に製造業の生産が上向く今秋以降の商品先物市況は、これまでとは異なる動きを見せるだろう。これまで上昇が目立った商品は、米国のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)やガソリンであった。石油の最大消費国である米国の景気堅調で、需要増加が見込める上に、エジプトの政治情勢の流動化という地政学要因も押し上げ材料になった。

  • 今年後半は金下落に歯止め銅市況回復 原油は下落傾向

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    今年後半は金下落に歯止め 銅市況回復 原油は下落傾向

    2013年7月13日号  

    まだ4月の急落の余韻が残っている商品市場では、6月にも再び金、銅、原油など主な品目が下落した。6月の下落となると2012年と印象が重なる。しかし、12年は欧州債務危機による景気の下振れが大きな懸念材料であったが、13年は米国の量的緩和が出口に向かい縮小する可能性や、中国当局が金融引き締めを強化する公算が不安視された。

  • 内部の意見対立続くOPEC生産据え置きで原油価格下落

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    内部の意見対立続くOPEC 生産据え置きで原油価格下落

    2013年6月15日号  

    5月31日に開催されたOPEC(石油輸出国機構)の第163回総会では、生産目標の据え置きが決定された。これを受けて原油先物価格は下落した。据え置き決定は、「ほぼ」予想通りであったが、OPEC内での意見の対立が原油価格の下落につながった。1バレル当たり100ドル前後の原油価格は、消費国・産油国の双方に受け入れやすい水準とされるものの、OPECの中で、高価格を志向する強硬派と、需要の安定を志向する穏健派とでは、立場がやや異なっている。

  • 金・原油・銅下落は固有の要因大 需給均衡で強弱の相場観交錯へ

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    金・原油・銅下落は固有の要因大 需給均衡で強弱の相場観交錯へ

    2013年5月18日号  

    もう1カ月ほど前になるが、国際商品市況が急落し、資源需給が急緩和に向かっているとの観測につながった。金、原油、銅とタイプが異なる代表的な商品市況が下落を主導した。金はリスク回避的資産や代替通貨とされ、値動きは通常、他の商品に比べると小さい。その金が4月15日に1割程度、1トロイオンス当たり100ドル超の大幅下落をした。

  • 新技術と企業買収によって成長を生む米国のシェール革命

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    新技術と企業買収によって 成長を生む米国のシェール革命

    2013年4月13日号  

    日米の景気回復観測が持続する中で、3月後半は、日本株と米国原油の相場上昇が目立った。日米独の株価をドル建てで比較してみると、欧州株が下落傾向で推移し、米国株の上値が重くなるのに対し、日本株は上昇を続けた。日銀新体制による追加金融緩和への期待感が強く、長期金利の低下や企業収益の回復期待が株価の押し上げにつながった。

  • シェール革命と金融緩和観測の後退で原油価格の上値は重い

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    シェール革命と金融緩和観測の 後退で原油価格の上値は重い

    2013年3月16日号  

    原油価格(ブレント)は、2月前半に1バレル当たり120ドル近くにまで上昇した。米国のガソリン価格も、国際指標とされるブレント原油の値動きに連動し、消費者心理に悪影響を及ぼすとされる1ガロン当たり4ドル前後に達した。また、世界景気の回復基調や中東・北アフリカの地政学問題を考えると、原油価格はさらに上昇するようにも思えた。しかしその後、原油価格は上値が重くなり、3月初めにかけて下落傾向が続く。米国を中心に株価は底堅く、世界景気の減速観測が強まっているわけではない。イタリアの政治の安定性や米国の連邦政府の歳出削減などの不透明要因が出てきているものの、ただちに世界景気を失速させるようなリスクとしては捉えられていない。

  • 先進国通貨がそろって下落商品相場上昇につながる公算

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    先進国通貨がそろって下落 商品相場上昇につながる公算

    2013年2月16日号  

    基軸通貨であるドルの下落が国際商品相場の上昇要因だとされることが多い。もちろん、それ以外の要因も各国際商品の相場を変動させる。例えば、2011年以降の各商品の相場動向を見ると、ドル相場よりも大きく影響した要因がある。原油は、リビア内戦やイラン核開発など地政学要因を背景に高止まりした。穀物は、12年夏場に北米の干ばつなどの影響で高騰し、現在、南米の収穫期に入りつつあるが、依然として、その影響が残っている。金は、欧州危機によりリスク回避的な投資対象として人気を集めた。銅は、欧州や中国の景気減速を受けた需要の伸び悩みを背景に上値が抑えられた。

  • 金融緩和でも金は買われず上昇基調は転機を迎えたか

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    金融緩和でも金は買われず 上昇基調は転機を迎えたか

    2013年1月19日号  

    円建て金相場が上昇している。1月に入って東京工業品取引所(TOCOM)の金先物は1グラム当たり4700円台と2011年9月以来の高値を記録した。もっとも、これは円安ドル高が進行しているためだ。取引の主流であるドル建ての金相場は下落している。ユーロ相場の上昇を映して、ユーロ建て金相場の下落率はさらに大きい。国際的に見れば、金は売られているといってよい。

  • 景気の先行き示す銅の市況直近の底堅さは景気持続示唆か

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    景気の先行き示す銅の市況 直近の底堅さは景気持続示唆か

    2012年12月15日号  

    グローバルな産業景気の動向が敏感に反映される国際商品市況は、景気の先行指標としても注目される。特に銅市況が示す方向は的中率が高いとされ、「ドクター・カッパー(銅博士)」と呼ばれるほどである。同じ金属でも、金(ゴールド)とは、かなり異なる値動きをする。金は、価値の貯蔵手段として世界中で認められており、無国籍通貨・実物通貨と呼ばれる存在だ。つまり、景気の不振、悪政、戦争などによって、管理通貨(円やドルやユーロなど各国通貨)の価値に対する信頼度が低下してインフレになるときのリスク回避先として考えられやすい。

  • 原油と天然ガス価格の二重構造国際市況に比べ割安な米国価格

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    原油と天然ガス価格の二重構造 国際市況に比べ割安な米国価格

    2012年11月17日号  

    米国のエネルギー市況を見ると、年初に比べて、原油価格(WTI、ウエストテキサスインターミディエイト)は1割超の下落となっているが、天然ガス(ヘンリーハブ)は2割超も上昇した。これは、シェールガス革命で天然ガス価格は下がり、中東の地政学リスクによって原油市況が押し上げられているというイメージとは異なる。

  • 日米中欧の景気刺激策相次ぐも効果は小さく商品市況は頭打ち

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    日米中欧の景気刺激策相次ぐも 効果は小さく商品市況は頭打ち

    2012年10月20日号  

    1カ月前には、政策面で原油や金など国際商品(コモディティ)の市況を押し上げる材料が相次いだ。中国政府による公共投資計画の承認、ECB(欧州中央銀行)による南欧国債の買い取り表明、FRB(米連邦準備制度理事会)によるQE3(量的緩和第3弾)の発表と、市場参加者の平均的な想定よりも積極的な政策対応が行われた。

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記者の目

  • 編集部 鈴木洋子

    20年前に見た業界再編の後の未来、こうなるとは予想してなかった

     2001年から04年まで、当編集部で記者として最初に担当した業界が半導体業界でした。当時は日本中が最初の大再編のさなか。日本の半導体はこれで本当に復活するのか?と、じりじりしながら取材し記事を書く毎日でした。日本の半導体の再生を信じてさまざまな活動をしていた東北大学の故大見忠弘教授や故坂本幸雄・元エルピーダメモリ社長にはとりわけお世話になりました。
     月日は流れ、日本企業がほとんどいなくなってしまった後、まさかこんな形で半導体の特集に関わる日が来るとは思っていませんでした。「日の丸半導体最後の挑戦」というタイトルは無数に使った気がしますが、今度こそ挑戦が本当に花開くことを、心から祈っています。

  • 副編集長 鈴木崇久

    人事からの呼び出しに早とちりは禁物?

    「お伝えしたいことがあるので時間をください」と、ある年の3月に人事から呼び出されたことがあります。3月といえば異動の内示の季節。「編集部から出るのか」と覚悟を決めて応接室に向かったところ、全くの別件で逆に衝撃を受けました。
    「紛らわしい時期なんだから用件を先に伝えてくれればいいのに」「センチメンタルになった時間を返してほしい」などと思いながら、部屋を後にしたことを覚えています。
     そんな経験から何年もたちましたが、今度こそ14年半過ごした編集部を離れることになりました。最近は記事執筆の機会が減って、読者の皆さまにとって影が薄い存在でしたが、この場を借りて今までのお礼をお伝えできれば幸いです。

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表紙

特集高成長&高年収企業がぞろぞろ! 半導体 160社図鑑 これから買える株!

株式市場で大きな支持を集め、日経平均株価の最高値更新を支えた半導体関連銘柄。高成長で好業績であるだけではなく、高い年収を誇る企業も多い。ただし、玉石混交で、大手の中にも変調を来しそうな企業がある。一方で、今はあまり知られていない隠れたお宝銘…

特集2日銀「次の一手」は? 金利ショック 襲来

日本銀行がついに異次元緩和に別れを告げた。マイナス金利解除の決断を受け、市場の関心は早くも日銀の「次の一手」に移っている。17年ぶりの利上げで日本経済と今後の金融政策はどう変わるのか。「金利ショック」襲来の影響と課題を徹底検証する。