記事一覧:数字は語る352件
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数字は語る
日銀の自己資本に黄信号 財務の健全性なくして 金融政策の独立性なし
2013年12月28日号FOMC(米連邦公開市場委員会)は資産買入残高をどこまで積み上げるのか。FOMCが買入減額の開始時期を想定よりも早く議論し始めた一因に、FRB(米連邦準備制度理事会)が被る巨額の損失可能性(試算)があった。数年間政府への納付金がゼロとなる見通しが示されたが、その可能性は買入残高が大きくなるほど高まるからだ。日本銀行も状況は同じである。
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5組に1組は離婚 夫婦円満で無事に 老後を迎えられるか
2013年12月21日号社会保障制度への信頼が揺らいでいる中、若い世代に向けて老後資金を貯めるためのマネープランを説く書籍や雑誌記事が増えているようだ。だが、そもそも「老後」までたどり着ける夫婦は3組に2組だけだ。
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1票の格差が示す 「選挙が間違える」リスクの差
2013年12月14日号11月28日、広島高裁岡山支部が今年7月に行われた参院選を「違憲で無効」とする判決を出した。参院選に対する「無効」判決は今回が初めてとなる。同選挙においては、議員1人当たりの有権者数が最小の鳥取県と最大の北海道で4.77倍もの差が生じていた(無効判決が出た岡山県は3.27倍)。
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消費一服で弱含み 増税後は鈍化するも 景気回復は続く
2013年12月7日号7~9月期の実質GDP成長率(1次速報)が内閣府から公表された。前期比年率で1.9%だった。プラス成長は4四半期連続となった。ただし、1~3月期の4.3%、4~6月期の3.8%に比べて成長率は低く、成長ペースが夏場にいったん弱まったことが読み取れる。
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マクロスライド発動せず 所得代替率は高止まり 年金改革は焦眉の急
2013年11月30日号今年秋の臨時国会で、社会保障制度改革の工程表と位置づけるプログラム法案の審議が始まった。同法案では、あいまいな表現であるものの、年金改革として、「マクロ経済スライドの適用強化」「受給開始年齢の引き上げ」などの検討を行った上で必要な措置を講ずる旨の条文を盛り込んでいる。
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消費税引き上げによる インフレ期待を妨げた 政府の増税白紙見直し
2013年11月23日号日本銀行が10月31日に公表した「経済・物価情勢の展望」では、来年度の消費者物価上昇率の政策委員の見通しの中央値は3.3%となった。このうち消費増税による物価上昇分は、増税分の価格転嫁が完全に行われるという前提で2.0%と見積もられている。
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世界の中では緩い? 日本の解雇規制 指標と実感が乖離
2013年11月16日号経済協力開発機構(OECD)は加盟36カ国の解雇規制の厳しさを数値化している。解雇手続きを始める前の通知期間の長さ、解雇の際に支払われる必要のある解雇手当の金額の大きさや解雇予告期間の長さ、解雇の困難さなどをそれぞれ数値化し、それらを加重平均したものが最終的な数値となる。
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金融政策成功の鍵は 成長戦略と財政再建 そして社会保障改革
2013年11月9日号日本銀行が供給する通貨の残高であるマネタリーベースは、9月に平均残高が前年同月比46.1%増加し、月末残高は過去最高の185.6兆円となった。主に長期国債購入によるが、年末目標額200兆円を経て、来年末までに270兆円にする計画だ。
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日本の所得税は個人単位 同じ世帯年収なら「共働き」が有利
2013年11月2日号最大61万2000円という数字を見て、同じ世帯年収であれば片働き世帯(専業主婦世帯)がそれだけ可処分所得が多いと思った方もいるかもしれない。しかし、実態は逆。共働き世帯のほうが可処分所得が多い(税負担が少ない)のだ。
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“裁量行政”で不透明 新規発着枠の配分は入札を活用すべき
2013年10月26日号羽田空港発着の国際線増加に伴い、国土交通省は10月2日、新規国際線発着枠の配分に関して、全日本空輸を傘下に持つANAホールディングスに11便、日本航空(JAL)に5便を割り振った。国際線枠の割り当ては両社への均等配分が長らく慣例であったが、JALが公的支援を受け経営再生した点が考慮され、「適切な競争環境の確保」を理由に傾斜配分が行われた。
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復興特別法人税の1年前倒し廃止は賃上げにつながるか
2013年10月19日号来年4月の消費税率引き上げ時の経済対策で注目されるものに、復興特別法人税の前倒し廃止がある。約9000億円の代替財源の確保、被災地の十分な理解、賃金上昇へつなげる方策と見通しなどの前提条件を満たした上で、12月中に廃止に向けて最終的な結論が出される見込みだ。
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給付を抑制しないと 増税で調達した財源は 5年で食いつぶされる
2013年10月12日号日本の財政状況は極めて厳しい。今回の消費増税は、財政の持続可能性を高め、世代間格差を改善する試みの重要な一歩である。だが、増税分を財源に不要不急の財政的バラマキを行うのであれば、それは「砂漠に水をまく」行為に等しく、国民はとうてい容認できないだろう。
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2次速報で大幅修正 精度向上に必要な統計整備への投資
2013年10月5日号4~6月期の国内総生産(GDP)は、9月9日に発表された2次速報で前期比3.8%(以下、年率換算)と高い成長となった。8月に発表された1次速報での成長率は2.6%だったが、民間企業設備と公的固定資本形成が大きく上方修正された影響を受けている。
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最低賃金引き上げは10代の雇用を奪う 別の格差対策も必要
2013年9月28日号今年の秋から適用される地域別最低賃金について各都道府県の地方最低賃金審議会の答申が出そろい、全国平均額は前年度比15円増の764円となる見通しとなった。10年前の2003年度の全国平均額が664円だから、ちょうど100円分上がったことになる。
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コストプッシュで2カ月連続の物価上昇 意識され始める「出口」
2013年9月21日号8月末に公表された7月の消費者物価の対前年同月比は、総合指数、生鮮食品を除くコア指数共に、0.7%となりサプライズであった。プラスになったのは前月から2カ月連続。短期間で1%が視野に入るような大きさまで上昇したため、金利への影響が心配されたが、マーケットの反応は鈍かった。
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成長戦略の覚悟を問う 法人税率引き下げは課税ベース拡大が鍵
2013年9月14日号法人税減税が再び注目を集めた。8月13日、一部報道で安倍晋三首相が法人税率引き下げの検討を指示したと伝わり、一時、株高・円安と金融市場が反応した。麻生太郎財務相が現段階での法人税率引き下げ効果は限定的と否定したものの、法人税見直しが課題であることに変わりない。
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高齢者の巨額金融資産 世代間格差はいずれ「世代内」の格差に
2013年9月7日号今回の「数字」を見て、政府の債務残高を思い浮かべた方もいるかもしれない。政府(国)の債務残高は2013年6月末で1009兆円と、1000兆円を突破した。今回着目する「数字」は、高齢者の保有する金融資産の残高だが、これは奇しくも政府の債務残高の水準とほぼ一致している。これがどういうことを意味するのか、考えてみよう。
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体罰依存の陰に潜む「平均への回帰」という統計的錯覚
2013年8月31日号8月9日に文部科学省は、全国の国公私立の小中高校などで2012年度に体罰を行ったことが確認された教員は延べ6721人、被害を受けた児童生徒は1万4208人に上ると発表した。体罰が行われていた学校は4152校で全体の10.8%に当たる。昨年12月に大阪市立桜宮高校の男子生徒が自殺した問題を受けて体罰に関する緊急調査が行われた結果、一連の数字が明らかにされた。
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増税凍結は非現実的 財政破綻の回避にはさらなる改革が不可欠
2013年8月24日号7月の参議院選挙が終了し、当面の政治の関心は「秋の増税判断」に移りつつある。その際、増税を凍結すべきという意見も一部あるが、それは非現実的である。というのは、国の予算(一般会計)の税収は約90兆円の歳出の半分しかなく、現状のままでは近い将来、財政が限界に達するのは明らかだからだ。では現在、政府・与党が予定している2014年、15年の消費増税を実施するケース(以下「実施シナリオ」)は、実施しないケース(以下「先送りシナリオ」)と比較して、どの程度の延命効果を持つのだろうか。
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就業率上昇の一方で未婚率も急上昇 限られる女性の選択肢
2013年8月17日号女性の就業率はこの10年で大きく上がった。15~64歳の女性就業率は1992年には56.9%、2003年には56.8%だったが、12年には60.7%まで上がっている。男性就業率が80%前後で安定しているのと対照的だ。女性就業率の上昇を年齢別に見ると特に伸びが著しいのが25~34歳の就業率で、02年に61.2%であったものが69.1%まで上がっている。