記事一覧:連載小説 『シャッターがなくなる日』22

  • 第八章 思惑を超えて  [第22回]

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第八章 思惑を超えて  [第22回]

    2018年07月28日号  

    元同級生の佐田に誘われ、地元で事業を始めることになった瀬戸。事業は順調に成長し、次なる一歩としてスクール形式で他の地域のメンバーに地方再生のノウハウを提供することに。しかし、その取り組みをよく思わない役人の鹿内が、瀬戸たちに露骨な妨害工作を仕掛けてきた。

  • 第七章 他地域進出  [第21回]

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第七章 他地域進出  [第21回]

    2018年07月21日号  

    元同級生の佐田に誘われ、地元で事業を始めることになった瀬戸。事業は順調に成長し、霞が関でのヒアリングに呼ばれるまでになった。しかし、そこで待っていたのは地方を見下した役人の姿。その悔しさをばねに、瀬戸たちはさらなる発展を遂げようと決意を新たにした。

  • 第七章 他地域進出  [第20回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第七章 他地域進出  [第20回] 

    2018年07月14日号  

    送られてきた東郷の名刺の情報をもとにネットで検索すると、顔写真が堂々とSNSに登録されていた。僕らの事業にまったく関わったことがないどころか、面識すらなかったが、田辺が過去のリストから検索したところ、一度視察にきていたことがわかった。

  • 第七章 他地域進出  [第19回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第七章 他地域進出  [第19回] 

    2018年07月07日号  

    佐田の現場復帰から間もなく、準備を進めていたプロジェクトはいよいよ実行する段階に入ることになり、オフィスには僕以外に佐田、田辺、野々村が集まっていた。僕たちは、勉強会で学んだ運営方法をもとに、事業構造の変化を決断しようとしていた。

  • 第六章 再挑戦  [第18回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第六章 再挑戦  [第18回] 

    2018年06月30日号  

    「じゃ、そこに荷物置いといてよ」宮崎のとある人けのないアーケードの中で、僕は汗をかいていた。かつて大手企業の城下町として栄えたその都市は、衰退し始めて半世紀近くが経つ。立派な駅前の再開発施設も、そのテナントのほとんどが役所の施設となっていた。

  • 第六章 再挑戦  [第17回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第六章 再挑戦  [第17回] 

    2018年06月23日号  

    失敗で落ち込む僕に山城のじいさんがかけてくれた、「2度目の挑戦が本当の挑戦」という言葉は力強い励みとなった。1度や2度の失敗で悔やんで、同情してもらい、やめるきっかけをつかもうとしていた自分の気持ちに終止符を打つためにも、まずは仲間たちと話をしなくてはならない、そう思った。

  • 第六章 再挑戦  [第16回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第六章 再挑戦  [第16回] 

    2018年06月16日号  

    事業がたいした成果を生まない中、その非難の矛先は市から大きな金額の委託を受けていたことが報じられた僕らに向けられていた。事前の期待が大きかっただけに、道の駅の開発自体も箱物行政ではないかと議会で批判が高まってきていた。それまで「民間主導で頑張ってきた地元チーム」だった僕たちはいつの間にか「行政に群がる悪徳コンサル一味」のような扱いを受けるようになってしまった。

  • 第五章 稼ぐ金、貰う金  [第15回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第五章 稼ぐ金、貰う金  [第15回] 

    2018年06月09日号  

    僕は市役所で森本と合流し、コンサルタントの藤崎のもとを訪ねていた。イメージしていた人とは違い、高齢な割にやけに丁寧な男性だった。「瀬戸さん、役所との調整や報告書の作成とかはやりますので、安心してくださいよ。役所は役所のルールがありますから、それに即してやらないと動かないんです。ね、森本さん」

  • 第五章 稼ぐ金、貰う金  [第14回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第五章 稼ぐ金、貰う金  [第14回] 

    2018年06月02日号  

    まちの衰退具合とは不釣り合いに、昨年立派に建て替えられたばかりの商工会議所の受け付けに僕はいた。「あのぉ、10時に門馬さんにアポをもらっている瀬戸と申します。昨日、お電話した」「あぁ」受け付けの妙齢の女性は電話をかけて門馬を呼び出し、言葉少なに役員応接室と書かれた部屋へと案内した。

  • 第五章 稼ぐ金、貰う金  [第13回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第五章 稼ぐ金、貰う金  [第13回] 

    2018年05月26日号  

    「瀬戸さん、電話です。また、視察したいって」成功が地元紙やウェブメディアで取り上げられるにつれ、欅屋には連日視察見学の問い合わせが相次ぐようになっていた。「あ、はい、はい……10名でお越しになるんですね。当日は何時頃到着されますか?」視察見学のやりとりだけで一日がおわるのではないかと思うほど、まったく業務がはかどらなくなっていた。

  • 第四章 批評家たちの遠吠え  [第12回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第四章 批評家たちの遠吠え  [第12回] 

    2018年05月19日号  

    「あったまいたい……」僕はゆっくり布団からでると、水を飲みに冷蔵庫へ向かった。佐田はまだ、豪快にいびきをかいて寝ている。会社をやめると決めてから初めて地元に戻った週末、僕たちは合宿にやってきていた。

  • 第四章 批評家たちの遠吠え  [第11回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第四章 批評家たちの遠吠え  [第11回] 

    2018年05月12日号  

    「本日、無事開業となり、本当に嬉しいです!」緊張のせいか、いつになく高い声で挨拶をするオーナーの望月さん。若干、化粧もいつもより気合が入って、髪もバッチリセットされている。いかにも今朝、美容室に行ってきました、という感じだ。立って話を聞く参加者の間を、心地よい秋の風が通り過ぎていく。

  • 第四章 批評家たちの遠吠え  [第10回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第四章 批評家たちの遠吠え  [第10回] 

    2018年04月28日号  

    不思議なもので、小さくても成果が生まれると、まわりの目はよくも悪くも変わってくる。「あんなもの、3日で潰れる」とか言っていた人が、いつの日からか「おれも最初からうまくいくと思っていた。むしろ応援していたよ」と、言ってくる。また「あんな小さな店が儲かるわけないだろ」と言っていた人が、言い分を180度覆して「あの店ができたお陰で、うちの客がとられた」と被害妄想気味に訴えてくることもある。

  • 第三章 毀損する不動産  [第09回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第三章 毀損する不動産  [第09回] 

    2018年04月21日号  

    「それでは、まずは市長からご挨拶をいただきます」そういえば、市長の挨拶を聞くのも久しぶりで、例の失敗した地域活性化イベント以来だ。東京で地元出身者を募るこの集まりは、毎年地元で新たにつくられた商品を紹介したりして、出身者たちでそれを応援する目的のもと、30年以上続いているのだそうだ。

  • 第三章 毀損する不動産  [第08回] 

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第三章 毀損する不動産  [第08回] 

    2018年04月14日号  

    スタートから3ヶ月。急に「やめたい」と連絡してきたのは、2階に入ったフラワーアレンジメントの店を共同経営する女性2人のうちの1人だった。「ねぇ、佐田どうしよう。まさかあんな仲のよかった2人がもめるなんて……」

  • 第三章 毀損する不動産  [第07回]

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第三章 毀損する不動産  [第07回]

    2018年04月07日号  

    「みなさん、それでは、ここにハンコ押してください」入居希望者はその後増加して、合計18人となった。半数以上はマーケットに出店している人たち。それ以外にも、周辺ですでに店をやっている人たちが、このあたりに店を出したいと申し出てきた。この盛況はひとえに佐田がこのまちですでに事業で成功していること、そしてマーケットの活況でこのあたりに「商機」があると見込んでもらえたからだろう。

  • 第二章 一人の覚悟  [第06回]

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第二章 一人の覚悟  [第06回]

    2018年03月31日号  

    「え、えーと、ここが裏庭で、ここに小さな小屋があって、ここが母屋になります。えーと、できれば地域における賑わいの核のような施設にできないかなと……」つくってきた資料をプロジェクターで投影しながら、佐田たちが主催するマーケットに出店している30人ほどの人たちに解説をする。急にこんなことをするはめになったのは、僕が佐田に「本当にうちに出店してくれるなんて人がいるかわからない」と言ったことに端を発していた。

  • 第二章 一人の覚悟  [第05回]

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第二章 一人の覚悟  [第05回]

    2018年03月24日号  

    「いやぁ、そんな勝手に方針変えられましてもねぇ、ええ」あからさまなしかめっ面で、さきがけ銀行の担当者である山田は渋った。土地を売却し、これまでの借り入れをチャラにする相談をしていたのに、急に売却せずに物件を人に貸す事業を始めたいと言い出したわけだから、僕だって無茶を言っているのはわかっている。

  • 第二章 一人の覚悟  [第04回]

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第二章 一人の覚悟  [第04回]

    2018年03月17日号  

    「それでは、開会のご挨拶をお願いします」市長が壇上にあがって挨拶を始めた。イベント当日はあいにくの雨。地元のテレビ局が予定どおりに取材にきて、ご当地アイドルグループが各店舗を回っている。パイプ椅子が並んだイートインコーナーには、まばらに人がいるだけだった。

  • 第一章 黒い善意  [第03回]

    連載小説 『シャッターがなくなる日』
    第一章 黒い善意  [第03回]

    2018年03月10日号  

    「あのさぁ、どうにか前日にこれないのかよ」電話口から聞こえる森本の声は、明らかに苛立っていた。語尾に舌打ちさえ聞こえる。「わ、わかってるよ。けど、連休前に休みとって帰れるわけないじゃんか……」遮るように、「だからそこどうにかならないのかよ。やると言ったことはちゃんとやってもらわないと困るんだよねぇ、ほんと。瀬戸はさぁ、そういうところがダメなんだよ。設営はやるって言ったんだから、やってもらわないと」吐き捨てるように電話は切れた。

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記者の目

  • 編集長 深澤 献

    過去の物差しのみで融資業務を行う「危うさ」

     銀行員といえば学歴競争の勝ち組でもあるエリートのはずなのに、時代の先頭に立ち、革新志向で変化を主導していくようなタイプは少ないといわれます。
     今号の特集の中で、メガバンクを辞めた30代の男性が、その理由として「融資業務自体が、過去10年分の財務諸表の確認から始まる“前例踏襲型”の仕事であること」を挙げています。過去の数字は分析できても、未来の事業の成否を判断するような才能は育たないというわけです。
     逆に言うと、従来の常識が大きく変わるときに、過去の物差しのみに頼って融資業務を行うことの危うさも感じます。思えば、バブル崩壊後の不良債権の山も、そんな行動様式から生まれたのでしょう。他山の石に。

  • 編集部 鈴木崇久

    就活でもらった「お祈りメール」のコンプレックス

     銀行業界に対してコンプレックスがあります。
     3メガバンクが毎年1000人規模の新卒採用を続けていた超売り手市場の時代、私は典型的なダメ就職活動生として、「3000人の中の1人にはなれるだろう」という甘い気持ちでエントリー。見事に全てから今後の活躍を祈念する「お祈りメール」を頂きました。
     その後、銀行業界は構造不況業種と呼ばれるに至りますが、激変する銀行業界に自分がいたら今どうなっているのか。そう考えると、変化に付いていけずに脱落していそうですが、ワクワクもします。
     ただ、箸にも棒にも掛からなかった人間が何を言っても戯れ言にすぎません。銀行業界のますますのご発展をお祈り申し上げます。

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