記事一覧:新日本酒紀行166

  • 酒屋八兵衛(SAKAYA HACHIBE)/三重県多気郡大台町

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    酒屋八兵衛(SAKAYA HACHIBE)/三重県多気郡大台町

    2019年3月30日号  

    三重県大台ヶ原山一帯は「年間400日雨が降る」といわれるほど降雨量が多い。その雨は日本百名山の大台ヶ原山から長さ約90kmの一級河川の宮川になり、大台町を横断し、伊勢神宮外宮近くを通り伊勢湾へと流れ出る。

  • 志太泉(SHIDAIZUMI)/静岡県藤枝市宮原

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    志太泉(SHIDAIZUMI)/静岡県藤枝市宮原

    2019年3月23日号  

    「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」とうたわれた、大井川の扇状地が志太平野。藤枝市と焼津市を含む静岡県の中央に位置し、温暖かつ水量も豊かで古くから農業と漁業で栄えた地域だ。

  • 廣戸川(HIROTOGAWA)/福島県岩瀬郡天栄村

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    廣戸川(HIROTOGAWA)/福島県岩瀬郡天栄村

    2019年3月16日号  

    福島県天栄村は昔、中通りと会津をつなぐ交通の要衝として栄えた。350mの高低差が昼夜の寒暖差を生み、米の食味コンテストで9年連続金賞を受賞する優良な米どころだ。奥羽山脈が縦断し中央分水嶺があり、日本海へ流れる阿賀野川水系鶴沼川と、太平洋へ流れる阿武隈川水系釈迦堂川が西と東へ流れる。

  • 惣誉(SOHOMARE)/栃木県芳賀郡市貝町

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    惣誉(SOHOMARE)/栃木県芳賀郡市貝町

    2019年3月9日号  

    栃木県東部で1872年から酒造りをする惣誉酒造は、生産量の90%以上が県内消費という地酒蔵だ。一方で海外の星付きレストランや名門ホテルのメニューにも載る。「晩酌を楽しむ地元の人に喜んでもらえる酒を追求してきました」と、5代目蔵元の河野遵さん。

  • ロ万(ROMAN)/福島県南会津郡南会津町

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    ロ万(ROMAN)/福島県南会津郡南会津町

    2019年3月2日号  

    福島県会津若松市と新潟県魚沼市の中間に位置する南会津町は東京から直線距離で180km。しかし、ビッグデータを使った全国到達所要時間マップによると、東京から北海道最北端の宗谷岬へ行くより時間がかかる。

  • 萩の鶴(HAGINOTSURU)/宮城県栗原市

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    萩の鶴(HAGINOTSURU)/宮城県栗原市

    2019年2月23日号  

    古今和歌集で「宮城野の、もとあらの小萩」と詠まれたのが宮城県の名の由来で、県花は萩だ。その萩を銘柄の冠にして酒造りを続けるのが、「萩の鶴」醸造元の萩野酒造。県最北の宿場町、旧萩野村(現栗原市)有壁で1840年に創業した。

  • ◎(よ)右衛門(YOEMON)/岩手県花巻市石鳥谷町

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    ◎(よ)右衛門(YOEMON)/岩手県花巻市石鳥谷町

    2019年2月16日号  

    南部杜氏は日本三大杜氏の筆頭で、最大の杜氏集団だ。本拠地は岩手県花巻市の石鳥谷町。冬は-15℃まで気温が下がり、酒造りの適地。南部藩主に献上する酒造りによって技術が向上し、冬仕事として杜氏集団が形成され全国へ名を轟かせた。

  • 笹一(SASAICHI)/山梨県大月市笹子町

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    笹一(SASAICHI)/山梨県大月市笹子町

    2019年2月9日号  

    甲州街道一の難所とされた笹子峠近くに立つ笹一酒造は、日本酒、ワイン、リキュール、焼酎を製造し、立地の良さから観光バスも寄る大月市のランドマークだ。

  • 月の桂(TSUKINOKATSURA)/京都府京都市伏見区

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    月の桂(TSUKINOKATSURA)/京都府京都市伏見区

    2019年2月2日号  

    1675年創業の増田徳兵衞商店は、数多ある京都・伏見の酒蔵の中でも最古。銘柄の「月の桂」は蔵の横を流れる桂川と、「月に住む桂男(かつらおとこ)が、巨大な桂の木を永遠に切り続ける中国の不老不死伝説が由来」と14代目の増田徳兵衞さん。

  • 播州一献(BANSHUIKKON)/兵庫県宍粟市

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    播州一献(BANSHUIKKON)/兵庫県宍粟市

    2019年1月26日号  

    713年に編纂された『播磨風土記』には、兵庫県宍粟(しそう)市周辺で、かびた米から酒が造られたと記されている。古い歴史を持つ宍粟市の中でも、山崎地区は白壁に瓦屋根が並ぶ町屋造りが残る。その一角に立つのが「播州一献」醸造元の山陽盃酒造だ。

  • 南部美人(NANBUBIJIN)/岩手県二戸市

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    南部美人(NANBUBIJIN)/岩手県二戸市

    2019年1月19日号  

    全国新酒鑑評会やIWCチャンピオンサケ、SAKE COMPETITIONなど、さまざまなコンテストで連続受賞する岩手の酒蔵、南部美人。蔵元の久慈浩介さんに快進撃の理由を尋ねると「2蔵体制」だという。

  • 梵(BORN)/福井県鯖江市

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    梵(BORN)/福井県鯖江市

    2019年1月12日号  

    梵を醸す加藤吉平商店の酒蔵としての創業は1860年。1928年の昭和天皇の即位の御大典で酒が選ばれ、68年には日本で初めて大吟醸酒を商品化した。当主は11代目の加藤団秀(あつひで)さんで、代々続く最高峰の酒造りを継承し、全量を純米造りで醸す。最高精米歩合は20%、平均は35%だ。全てのお酒を1年から10年以上氷温熟成させてうま味が乗ってから出荷するのが特徴。

  • 福千歳(FUKUCHITOSE)/福井県福井市

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    福千歳(FUKUCHITOSE)/福井県福井市

    2018年12月22日号  

    福井県福井市で「福」つながりの酒、福千歳を醸す田嶋酒造。山廃造りの酒を得意とする。日本酒は江戸時代まで、天然の乳酸を育成する生酛造りが主流だったが、明治時代に醸造用乳酸を添加し、手軽にできる速醸酛が開発されて切り替わった。

  • 英君(EIKUN)/静岡市清水区由比

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    英君(EIKUN)/静岡市清水区由比

    2018年12月15日号  

    桜エビで名高い由比港の近く、由比川沿いの街道に立つ英君酒造。創業は日英修好通商条約が結ばれた年で、徳川の英(ひい)でた君主にちなみ「英君」と命名された。

  • 黒龍(KOKURYU)/福井県吉田郡永平寺町

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    黒龍(KOKURYU)/福井県吉田郡永平寺町

    2018年12月8日号  

    日本酒を冷やして飲む。今や当たり前の飲み方だが、昔は、冷や(常温)と燗しかなかった。1970年に黒龍酒造7代目蔵元の水野正人さんがCOLD KOKURYUを発売し、酒を冷やして飲むことを提案。

  • 松の寿(MATSUNOKOTOBUKI)/栃木県塩谷郡塩谷町船生

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    松の寿(MATSUNOKOTOBUKI)/栃木県塩谷郡塩谷町船生

    2018年12月1日号  

    「松の寿」の醸造元、松井酒造店は塩谷町船生(ふにゅう)の日光北街道に立つ。初代の松井九郎治が水にほれ、新潟県小千谷から移住し、1865年から酒造りを開始した。蔵の奥には深い林が広がり、『奥の細道』で松尾芭蕉が歩いた道が残る。芭蕉の弟子、河合曾良の『奥の細道随行日記』にも「船生ヨリ玉生ヘ弐里」と地名が登場する。

  • 大那(DAINA)/栃木県大田原市

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    大那(DAINA)/栃木県大田原市

    2018年11月24日号  

    たった100石の小さな蔵、菊の里酒造を引き継いだ阿久津信さん。蔵の次男坊だ。世界にも通用する上質な酒を目指し、自ら杜氏を務めて改革を行った。那須は御用邸があり風光明媚な土地。歴史も古い。

  • 相模灘(SAGAMINADA)/神奈川県相模原市

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    相模灘(SAGAMINADA)/神奈川県相模原市

    2018年11月17日号  

    山あいにある酒蔵なのに酒銘が「相模灘」? 由来を醸造元、久保田酒造の久保田晃さんに尋ねると、葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景・神奈川沖浪裏」の名が。波濤とその奥の富士山、大波にもまれる舟がダイナミックに描かれる。「あの海は相模灘です」。美術大学で日本画を専攻した晃さんが絵画理論で説く。

  • WAKAZE/東京都世田谷区太子堂

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    WAKAZE/東京都世田谷区太子堂

    2018年11月10日号  

    お酒を造るその隣で飲めたら……酒好きの夢をかなえたのがWAKAZE三軒茶屋醸造所だ。ガラス越しにステンレス製のサーマルタンクを眺めつつ、出来たてのどぶろく、柑橘や山椒が香る酒が、山形の食材を使った料理と楽しめる。

  • 夜の帝王(YORUNOTEIOU)/広島県竹原市

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    夜の帝王(YORUNOTEIOU)/広島県竹原市

    2018年11月3日号  

    明治40(1907)年に清酒技術の研鑽、向上を目的に政府が催した「全国清酒品評会」。その第1回で1位となったのが藤井酒造の「龍勢(りゅうせい)」だ。

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記者の目

  • 編集部 鈴木洋子

    20年前に見た業界再編の後の未来、こうなるとは予想してなかった

     2001年から04年まで、当編集部で記者として最初に担当した業界が半導体業界でした。当時は日本中が最初の大再編のさなか。日本の半導体はこれで本当に復活するのか?と、じりじりしながら取材し記事を書く毎日でした。日本の半導体の再生を信じてさまざまな活動をしていた東北大学の故大見忠弘教授や故坂本幸雄・元エルピーダメモリ社長にはとりわけお世話になりました。
     月日は流れ、日本企業がほとんどいなくなってしまった後、まさかこんな形で半導体の特集に関わる日が来るとは思っていませんでした。「日の丸半導体最後の挑戦」というタイトルは無数に使った気がしますが、今度こそ挑戦が本当に花開くことを、心から祈っています。

  • 副編集長 鈴木崇久

    人事からの呼び出しに早とちりは禁物?

    「お伝えしたいことがあるので時間をください」と、ある年の3月に人事から呼び出されたことがあります。3月といえば異動の内示の季節。「編集部から出るのか」と覚悟を決めて応接室に向かったところ、全くの別件で逆に衝撃を受けました。
    「紛らわしい時期なんだから用件を先に伝えてくれればいいのに」「センチメンタルになった時間を返してほしい」などと思いながら、部屋を後にしたことを覚えています。
     そんな経験から何年もたちましたが、今度こそ14年半過ごした編集部を離れることになりました。最近は記事執筆の機会が減って、読者の皆さまにとって影が薄い存在でしたが、この場を借りて今までのお礼をお伝えできれば幸いです。

最新号の案内2024年4月20日号

表紙

特集高成長&高年収企業がぞろぞろ! 半導体 160社図鑑 これから買える株!

株式市場で大きな支持を集め、日経平均株価の最高値更新を支えた半導体関連銘柄。高成長で好業績であるだけではなく、高い年収を誇る企業も多い。ただし、玉石混交で、大手の中にも変調を来しそうな企業がある。一方で、今はあまり知られていない隠れたお宝銘…

特集2日銀「次の一手」は? 金利ショック 襲来

日本銀行がついに異次元緩和に別れを告げた。マイナス金利解除の決断を受け、市場の関心は早くも日銀の「次の一手」に移っている。17年ぶりの利上げで日本経済と今後の金融政策はどう変わるのか。「金利ショック」襲来の影響と課題を徹底検証する。