記事一覧:ものつくるひと169件
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「サイレントピアノ」 浦 智行(ヤマハ 楽器開発統括部ピアノ開発部ピアノ開発グループリーダー) 小関信也(ヤマハ 楽器・音響事業本部技術開発部バリューデザイングループリーダー)
2017年5月13日号「自分が心から欲しいと思える楽器を作りたかった」──。4歳から始めたというピアノの鍵盤をたたく手を止め、ヤマハ 楽器・音響事業本部技術開発部バリューデザイングループリーダーの小関信也は、そう四半世紀前に思いをはせた。
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「シカ対策システム『ユクリッド』」 梶村典彦(日鐵住金建材商品開発センター 開発企画部長)
2017年4月29日号シカが線路内に侵入して鉄道会社が困っている──。国内鉄鋼メーカートップである新日鐵住金のグループ会社、日鐵住金建材で商品開発に携わる梶村典彦の目に、そんな新聞記事が飛び込んできた。普通の人なら「ふーん、そうか」と読み流す程度の記事だろう。だが、どんな些事にも関心を抱く性分の梶村は違った。
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「パワートレイン『e-POWER』」 仲田直樹(日産自動車パワートレイン技術開発本部パワートレイン主管)
2017年4月22日号実に30年ぶり、「サニー」以来の快挙である。昨年11月、日産自動車のコンパクトカー「ノート」が国内販売ランキングで首位に立ち、その後も快走を続けているのだ。新型ノートのけん引により、長らくシェア5位と低迷していた日産の国内販売が活気づいている。
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「PARM(パルム)」 岩井 大(森永乳業 食品総合研究所 第3開発部部長)
2017年4月1日号朝鏡の前に立つとまた新しい吹き出物を発見した。森永乳業の研究開発員である岩井大は三十路になった2003年、思春期男子のように吹き出物が絶えなくなった。
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「アイサイト」 樋渡 穣(富士重工業(4月1日付でSUBARUに社名変更)スバル第一技術本部 車両研究実験第四部 部長)
2017年3月25日号「ぶつからないクルマ?」。そんなキャッチコピーを耳にしたことがあるだろう。いまや富士重工業の代名詞ともなったアイサイトは、他社にはないステレオカメラ(2台のカメラ)を使った運転支援システムとして有名だ。しかし、そのヒットの陰には、約30年にもわたる日の目を見ない地道な努力があった。
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「レーザーターンテーブル」 竹内孝幸(エルプ企画・営業部長) 関塚正幸(エルプ生産部部長)
2017年3月18日号レーザーターンテーブルで故美空ひばりのレコードを再生したときのことだった。聴いていた美空ひばりの義理の娘が感極まって「お母さんがそこにいる」と泣きだしたという。まるで故人が目の前で歌っているかのように感じるほど、深みと奥行きのある音だったのだ。
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「スロギー sloggi」 河野智美(トリンプ・インターナショナル・ジャパン スロギー事業本部プロダクト&マーチャンダイジング部エキスパート)
2017年3月11日号「この商品はお客さまに育てていただきました。お客さまがどんどん新しい用途を開拓していかれた。私の中では、こんなの初めての経験です」こう語るのはトリンプ・インターナショナル・ジャパン スロギー事業本部プロダクト&マーチャンダイジング部エキスパートの河野智美。「この商品」である「スロギー」の開発・デザインを担当している。
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「ナンバー トゥエンティーワン」 榎本 亮(三越伊勢丹婦人雑貨統括部商品部長) 中社 慶(三越伊勢丹婦人雑貨統括部アシスタントバイヤー)
2017年3月4日号三越伊勢丹で、婦人靴の仕入れや買い付けを行うアシスタントバイヤーの中社慶は、2015年4月、伊勢丹新宿店の婦人靴売り場から連絡を受けた。「足の幅(ワイズ)が狭くて、自分に合う靴はどこにも売っていないと困っているお客さまがいます。彼女にぴったりの靴を作っていただけないでしょうか」
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「超保険」 永野 毅(東京海上ホールディングス取締役社長 グループCEO) 桑原茂雄(東京海上日動火災保険ビジネスプロセス改革部長)
2017年2月25日号それは、保険業界に対する一つの“挑戦”だった──。時計の針を巻き戻すこと約15年、2002年6月、東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)に、システム開発費100億円を投じた生損一体型の保険、「超保険」が誕生した。
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「バルミューダ ザ・トースター」 寺尾 玄(バルミューダ社長)
2017年2月18日号こんがり焼けた厚切りトーストの上でとろけるバター。表面がぐつぐつと溶け出して少し焦げ目が付いた熱々のチーズトースト。思わずよだれが出そうな画像が並んでいるのは、家電ベンチャーのバルミューダが販売する「ザ・トースター」のホームページだ。商品そのものの画像よりも、おいしそうなパンや料理のレシピ画像の方が圧倒的に多い。
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「プラネタリウム」 大平貴之(大平技研代表取締役/プラネタリウム・クリエーター)
2017年2月4日号大平貴之のプラネタリウム作りは10歳(小学4年生)のときに始まった。以来、プラネタリウム開発の第一人者となった今も「多くの人たちに自作の星空を見てもらいたい」という思いは全く変わっていない。 理科や工作が大好き。その代わり、整理整頓などはからきし苦手。そんな風変わりな大平少年はある日、文房具店で小瓶に入った夜光塗料を目にする。
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「仮設トイレ」 谷本 亘(日野興業 営業企画部 部長)
2017年1月28日号「汚い、暗い、狭い、臭い……」。仮設トイレの販売・レンタル大手、日野興業(千葉県市川市)の谷本亘営業企画部部長は、これまで日本人の脳裏にこびりついてきた仮設トイレへの負のイメージを“一掃”しようと、新たな試みに取り組んでいる。
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「ビスコテックス」 結川孝一(セーレン社長) 牧田博行(セーレン専務 ビスコテックス部門長)
2017年1月21日号企業のビジネスモデルを根本から変革するイノベーションが起こることがある。福井市に本社を置く繊維メーカー、セーレンの「ビスコテックス(Viscotecs)」がそれ。ビスコテックスはITを活用した繊維(生地)の染色システムである。
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「トレビーノの改良・販売」 佐々木直美(東レ トレビーノ販売部長)
2017年1月14日号「君はこれからこれを売るんだよ」。上司が得意げに見せてきたのは、武骨に輝く、いかにも重そうなステンレスの塊だった──。「水は東レのトレビーノ♪」のキャッチコピーで知られる東レの家庭用浄水器「トレビーノ」は、人工透析に使われる中空糸膜の技術を応用して開発され、2016年に発売30周年を迎えたロングセラーシリーズだ。14年には本体とカートリッジを合わせた累計販売個数で1億個を突破。蛇口に直接取り付ける蛇口直結型では、国内シェア圧倒的ナンバーワンを誇る。
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「オーガニックコットンデニム」 田中俊輔(良品計画 衣服・雑貨部 婦人担当カテゴリーマネージャー)
2016年12月24日号「無印らしい商品とは何なのか」──。およそ3年前、無印良品を展開する良品計画で婦人服の商品開発を担当する田中俊輔は悩んでいた。2000年入社の田中は7年間の店舗勤務を経て、07年から衣服・雑貨部へ異動。12年9月から婦人服担当になった。衣服やかばん、靴などの雑貨部門は、全体の売上高の30%を超す無印の中核事業だ。中でも、婦人服の売上高は紳士服のおよそ3倍と大きく、“無印の象徴”とされるカテゴリーの一つである。
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「インフォベール」 笠井英雄(旭硝子 事業開拓部新ガラス商品展開グループ ガラスサイネージ担当 リーダー)
2016年12月17日号連結売上高で1兆3263億円の旭硝子は、世界一の総合ガラスメーカーではあるが、正面から指摘されたくない“泣き所”を抱えている。商業施設に例えるならば、“顔”である1階部分が弱いのだ。1階は、業者に対する要求水準が高く、受注競争も激しい。
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「全天球カメラ『THETA』」 野口智弘(リコー新規事業開発本部 SV事業開発センター VR事業室長)
2016年12月3日号「はい、シータ!」──。沖縄で11月に行われた人気ロックバンド、モンゴル800による音楽フェス。現地で行われたトークショーの模様が、ちょっと変わった掛け声と共に次々とインターネットにアップされた。周りの風景を360度撮影する全天球カメラ、THETA(シータ)によるものだ。
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「モンスターハンター」 藤岡 要(カプコン第三開発部ディレクター)
2016年11月26日号普段はゲームで遊ばない人でも、「モンハン(モンスターハンターの略称)」という言葉は聞いたことがあるに違いない。100万本を売り上げたらベストセラーという世界で、「モンスターハンターポータブル3rd」で490万本、「モンスターハンター4」で410万本の売り上げを達成した人気ソフトだ。
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「自立型水素エネルギー供給システム『H2One(エイチツーワン)』」 大田裕之(東芝次世代エネルギー事業開発プロジェクトチーム統括部長)
2016年11月19日号神奈川県川崎市臨海部の人工島・東扇島に位置する公共施設「川崎マリエン」には、東芝が開発した世界初の発電装置「H2One」が設置されている。テニスコート脇に置かれたコンテナ型の装置は、水と太陽光だけで電気と温水が「勝手に湧いて出る」完全自立型のエネルギーシステムだ。
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「屋上緑化」 杉本英夫(大林組 技術本部技術研究所 環境技術研究部主席技師)
2016年11月12日号ハヤブサ、セキレイ、ヒヨドリ、ツグミ……。かつてプロ野球球団、南海ホークス(現福岡ソフトバンクホークス)の本拠地だった大阪球場跡地(大阪市浪速区)は、屋上の緑地に多数の野鳥が生息する商業施設「なんばパークス」に生まれ変わった。なんばパークスは南北に細長く広がる建物で、地表から9階まで段状に連なる「パークスガーデン」には、約300種の植物が生い茂り、豊かな生態系ができている。これほど大規模ではなくとも、新しい高層ビルの屋上などの緑化は今では珍しくない。実は、日本でこうした技術と存在価値を大きく発展させた人物が、大手ゼネコンの一角、大林組の技術研究所で主席技師を務める杉本英夫だ。