記事一覧:異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=118

  • 右傾化するNHK経営陣

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    右傾化するNHK経営陣

    2014年2月10日

    よくもまあ物騒な人たちを集めたものだ。呆れるというより、感心するほかない。失言や妄言が相次ぐNHKの経営幹部のことである。まずは、籾井克人新会長が1月25日の記者会見でやってくれた。従軍慰安婦について、「この問題はどこの国にもあったこと」「韓国だけにあったと思っているのか。戦争地域はどこにでもあったと思っている。ドイツやフランスにはなかったかと言えるのか」と言いたい放題。

  • 新興国の通貨不安がアベノミクスを翻弄する

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    新興国の通貨不安がアベノミクスを翻弄する

    2014年2月3日

    年明け以降、外国為替市場や株式市場でボラティリティー(価格変動率)が高まり、当ての外れた投資家からは悲鳴が聞こえてくる。円・ドル相場が円高に振れやすくなり、日経平均株価は一時、1万5000円の大台を割り込んだ。年初に大方のエコノミストが予想した展開とは様相が異なり、ビッグデータの時代になっても経済は予測不能の生き物だと痛感する。

  • 史上初の女性FRB議長に期待する

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    史上初の女性FRB議長に期待する

    2014年1月27日

    創設百周年を迎えた米連邦準備制度理事会(FRB)。来月1日、ジャネット・イエレン副議長(67)が議長に昇格し、初めて女性がその頂点に立つ。世界を見渡すと、ロシアや南アフリカ、アルゼンチンなどで、女性が中央銀行のトップに就任している。安倍晋三首相は「女性が輝く国にする」と約束したが、いつか日銀にも女性の総裁が誕生する日が来るのだろうか。

  • 都知事選は「賞味期限切れ」政治屋の復活祭

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    都知事選は「賞味期限切れ」政治屋の復活祭

    2014年1月20日

    1月23日告示・2月9日投開票の東京都知事選は、「小泉純一郎元首相(72)の後押しで脱原発を掲げる細川護熙元首相(76)VS自民党都連の推薦する舛添要一元厚生労働相(65)」という対決構図になりそうだ。「賞味期限切れ」の老政治家(屋?)がはしゃぎ回る復活祭には、呆れ返って溜め息も出ない。脱原発は方向性として正しいが、今回は無理矢理に地方選の争点に仕立てられている。ただし、憲法改正に向けてタカ派独裁色を強めてきた安倍政権も細川・小泉連合の登場に動揺を隠せないため、政治ショーとしては久しぶりに楽しめそうだ。

  • 銀行がますます巨大になると…

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    銀行がますます巨大になると…

    2014年1月14日

    6年前のリーマン・ショック以降、米欧の金融機関は合従連衡に生き残りを懸け、合併・統合が一気に加速した。それに先立ち日本では、23行を数えた大手銀行がバブル崩壊後、5大銀行グループに再編されていた。

  • 超タカ派政策、アベノリスクが深刻化

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    超タカ派政策、アベノリスクが深刻化

    2014年1月6日

    今年の日本経済は消費税増税の4月1日を境にして、険しい「崖」に直面する。1~3月期は増税前の駆け込み需要が景気を下支えするが、4月以降はその反動減を覚悟しなくてはならない。安倍政権の目論む今春闘の賃上げが不発に終われば、増税とそれに伴う値上げで家計の可処分所得は減り、一時的に実質GDP(国内総生産)はマイナス成長に転落する可能性が高い。アベノミクスはその真価を問われる1年になる。

  • どんどん早まる政治家の「賞味期限」

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    どんどん早まる政治家の「賞味期限」

    2013年12月24日

    政治家の「賞味期限」がますます早まっている。東京都の猪瀬直樹知事は医療グループ「徳洲会」から5000万円を受け取った問題をめぐって、説明がクルクル変わり、世論からは批判の集中砲火。大汗をかきながら都議会でしどろもどろに答弁する姿は、たった1年前の都知事選で史上最多433万票を獲得した人には見えない。結局、「政治家としてアマチュアだった」という捨てゼリフを吐いて、辞職することになった。

  • 著作権なんて、ぶっ飛ばせ!

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    著作権なんて、ぶっ飛ばせ!

    2013年12月16日

    日本や米国など環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の参加国は、目標としていた年内妥結を断念した。農産物などの関税撤廃と並んで知的財産権の保護をめぐっても、各国の利害対立が解けなかったからだ。米国が特許や著作権の保有件数で圧倒しているだけに、知財分野でオバマ政権の傍若無人な振る舞いを各国が警戒するのも当然だろう。だが、そもそも権利ビジネスとは何なのだろう。金科玉条のごとく守るべきものなのか。いたずらに既得権を保護すると、若い才能が育たないのではないか―。

  • 金融政策は「事実もどき」でよいのか

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    金融政策は「事実もどき」でよいのか

    2013年12月9日

    Factoid(ファクトイド)という英単語がある。接尾辞の「-oid」はHumanoid(ヒト型ロボット) やAndroid(人造人間)で使われるように、「~に似ている」という意味。だから、Factoidは「擬似事実」、あるいは「事実もどき」とでも訳すべきなのだろう。

  • 国民の「知る権利」より官僚の「隠す権利」

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    国民の「知る権利」より官僚の「隠す権利」

    2013年12月2日

    安倍政権が国民の「知る権利」を侵害する特定秘密保護法案の成立を強行しようとしている。これに対し、朝日新聞をはじめマスコミや市民団体、有識者は反対運動を展開し、世界中がこの国の民主主義が本物かどうか見つめている。

  • 働く人に冷たい国ニッポン

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    働く人に冷たい国ニッポン

    2013年11月25日

    未曾有の少子高齢化が人口減少をもたらし、移民を本格的に受け入れない限り、日本の市場規模は縮小を続ける。当然、雇用にはマイナスの効果をもたらす。また、経済のグローバル化とイノベーション(技術革新)にもブレーキは掛けられない。工場の低賃金労働は中国などにシフトし、オフィスの事務作業もIT革命で大幅に省力化された。人のやるべき仕事の領域が狭まり、やがてロボットがその多くを奪うかもしれない。サラリーマンはロボットの上司から叱られ、ストレスを溜めるようになるのか。いかにして雇用を確保するかが喫緊の課題なのに、この国は危機感に乏しいように見える。

  • 免許業種の独占企業には重い法人税を

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    免許業種の独占企業には重い法人税を

    2013年11月18日

    長年にわたり、財界は国際的に高水準といわれる法人税率の引き下げを求め、安倍政権もその実現を視野に入れ始めた。国境を越えて外国企業と死闘を繰り広げるグローバル企業にとっては、確かに切実な問題だろう。しかし、政府から事業免許をもらい、地域独占などを背景に超過利潤を享受するドメスティック企業まで減税対象にすべきなのか。逆に、こうした企業には独占と引き換えに法人税率を引き上げ、余計に税金を払ってもらったらどうだろう。

  • 「お・も・て・な・し」、実は「ろ・く・で・な・し」

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    「お・も・て・な・し」、実は「ろ・く・で・な・し」

    2013年11月11日

    ドミノ倒しのように、次から次へと…。高級ホテルや大手百貨店のメニュー偽装である。「誤表示」、「不適切表示」と言い訳は様々だが、意図的かどうかはともかく、消費者が騙されていた事実に変わりない。「お・も・て・な・し」で五輪開催を勝ち取った国は、プレゼンテーションからわずか2ヵ月で馬脚を現した。プロ意識のかけらもない一部の悪行により、世界に冠たる食文化は「ろ・く・で・な・し」に堕落してしまうのか。

  • 川崎市長選で吹いた”風”はどこへ向かう?

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    川崎市長選で吹いた”風”はどこへ向かう?

    2013年11月5日

    10月27日、東京に隣接する政令都市・川崎市(人口約145万人)で"風"が吹いた。新人三人が立候補した市長選で、「とことん無所属」を掲げた元県議の福田紀彦氏(41)が、自公民が相乗りで担いだ総務省キャリアの秀嶋善雄氏(44)と、共産党推薦で元公共職業安定所次長の君嶋千佳子氏(63)を破り、初当選を果たしたのだ。

  • 71年前の雑誌が伝える官製報道の恐怖

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    71年前の雑誌が伝える官製報道の恐怖

    2013年10月28日

    読書の秋。タイトルや書評に釣られて買ってみたものの、ページを開いていない新刊が本棚の一角を占拠する。「まとまった休みが取れたら…」と言い訳している間に、仲間がどんどん増えてしまう。読書家では全くないが、「積読」(つんどく)なら大家に入れてもらえるかもしれない。

  • みずほFGは旧3行に解体したらどうか

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    みずほFGは旧3行に解体したらどうか

    2013年10月21日

    またもや、みずほ銀行である。関連ノンバンクを通じた暴力団員への融資を2年以上も放置していたと聞き、最初は「今時、まさか」と耳を疑った。三大メガバンクの一角を占める、みずほフィナンシャルグループ(FG)は発足以来、大規模なシステム障害や経営陣のスキャンダルといった不祥事を何度も起こし、マスコミの餌食になってきた。騒動を起こして世論から叩かれ、ほとぼりが冷めてもしばらくすると、また別の騒動を起こす。

  • 「脱原発」宣言した小泉元首相

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    「脱原発」宣言した小泉元首相

    2013年10月15日

    わずか1年前、与野党が激しく対立し、国会は常時緊迫していた。しかし、昨年末の衆院選で民主党は自滅し、自民、公明両党が圧勝を収め、第2次安倍政権が誕生した。アベノミクスがもたらした円安・株高を背景に、内閣支持率は6割前後の高水準を維持している。半面、政局はベタ凪になり、大手マスコミ政治部のベテラン記者は「数年ぶりに時間を持て余している」という。

  • 国民無視、税制改「悪」を強行する安倍政権

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    国民無視、税制改「悪」を強行する安倍政権

    2013年10月7日

    ようやく安倍晋三首相が来年4月の消費税率引き上げ(5%→8%)を決断した。実施まで半年しか準備期間がなく、これから企業や商店は不安を抱えながら対応に忙殺される。税制の柱である消費税の17年ぶり増税というのに、なぜ時間的余裕を持って実行できないのか。「ギリギリの決断」という政治的パフォーマンスは、永田町の自己満足でしかなく、国民経済には害悪以外の何物でもない。

  • 今、「半沢直樹」が企業社会に必要な理由

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    今、「半沢直樹」が企業社会に必要な理由

    2013年9月30日

    毎週日曜夜、久し振りにテレビの連続ドラマを堪能した。TBS系の「半沢直樹」である。バブル崩壊後、経営破綻が相次いだ金融取材を思い出し、熱演する俳優陣と実在した銀行員や金融当局者を懐かしく重ね合わせていた。

  • ケータイがなくても、東京で生活できるか?

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    ケータイがなくても、東京で生活できるか?

    2013年9月24日

    腕時計はしていなくても、携帯電話を持たない人には、まずお目にかからない。携帯電話の加入契約数は1億4000万を突破し、総人口で割ると普及率は110%を超えている。タブレット端末の普及に伴い、複数回線を保有する人も増え、今や「1人1台超」時代である。携帯なくして、もはや人間は生きられないのだろうか。

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記者の目

  • 編集部 鈴木洋子

    20年前に見た業界再編の後の未来、こうなるとは予想してなかった

     2001年から04年まで、当編集部で記者として最初に担当した業界が半導体業界でした。当時は日本中が最初の大再編のさなか。日本の半導体はこれで本当に復活するのか?と、じりじりしながら取材し記事を書く毎日でした。日本の半導体の再生を信じてさまざまな活動をしていた東北大学の故大見忠弘教授や故坂本幸雄・元エルピーダメモリ社長にはとりわけお世話になりました。
     月日は流れ、日本企業がほとんどいなくなってしまった後、まさかこんな形で半導体の特集に関わる日が来るとは思っていませんでした。「日の丸半導体最後の挑戦」というタイトルは無数に使った気がしますが、今度こそ挑戦が本当に花開くことを、心から祈っています。

  • 副編集長 鈴木崇久

    人事からの呼び出しに早とちりは禁物?

    「お伝えしたいことがあるので時間をください」と、ある年の3月に人事から呼び出されたことがあります。3月といえば異動の内示の季節。「編集部から出るのか」と覚悟を決めて応接室に向かったところ、全くの別件で逆に衝撃を受けました。
    「紛らわしい時期なんだから用件を先に伝えてくれればいいのに」「センチメンタルになった時間を返してほしい」などと思いながら、部屋を後にしたことを覚えています。
     そんな経験から何年もたちましたが、今度こそ14年半過ごした編集部を離れることになりました。最近は記事執筆の機会が減って、読者の皆さまにとって影が薄い存在でしたが、この場を借りて今までのお礼をお伝えできれば幸いです。

最新号の案内2024年4月20日号

表紙

特集高成長&高年収企業がぞろぞろ! 半導体 160社図鑑 これから買える株!

株式市場で大きな支持を集め、日経平均株価の最高値更新を支えた半導体関連銘柄。高成長で好業績であるだけではなく、高い年収を誇る企業も多い。ただし、玉石混交で、大手の中にも変調を来しそうな企業がある。一方で、今はあまり知られていない隠れたお宝銘…

特集2日銀「次の一手」は? 金利ショック 襲来

日本銀行がついに異次元緩和に別れを告げた。マイナス金利解除の決断を受け、市場の関心は早くも日銀の「次の一手」に移っている。17年ぶりの利上げで日本経済と今後の金融政策はどう変わるのか。「金利ショック」襲来の影響と課題を徹底検証する。