記事一覧:Key Word で世界を読む119件
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stock swap(株式交換) ―英語直訳では意味不明の経営統合―
2013年10月11日日本企業が経営統合するとき必ず話題になるのが統合比率だ。専門用語を使えば株式移転比率。合併であれば合併比率になる。英語ではどう表現したらいいのか? 実は、英語には統合比率や株式移転比率、合併比率に相当する言葉はない。すべてstock swap ratioであり、日本語にすれば株式交換比率だ。経営統合も合併も英語ではstock swap(株式交換)としてくくられているからだ。
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merger(合併)とacquisition(買収) ―米アプライドが東京エレクトロンを「買収」―
2013年10月4日「半導体装置で日米統合 東京エレクトロンと米アプライド」(日本経済新聞)「アプライド、東京エレクトロンを94億ドルで買収」(米ブルームバーグ) 9月24日に日米半導体大手が経営統合するニュースが飛び出すと、日米でニュースの伝え方が大きく異なった。企業の合併・買収(M&A)ではいつものことである。
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Minecraft(マインクラフト) ―ゲーム市場のビジネスモデルが一変―
2013年9月27日日本では新型プレーステーションなど家庭用ゲーム機(game console)やグリーなどソーシャルゲーム(social network game)に注目が集まりがちだが、世界ではマインクラフト(Minecraft)が話題をさらっている。
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conglomerate(複合企業) ―ノキア携帯事業買収でマイクロソフトは「総合電機」化―
2013年9月19日米マイクロソフトが今月上旬、フィンランドのノキアから携帯電話事業を買収することで合意した。同社最高経営責任者(CEO)のスティーブ・バルマー氏は声明を発表し、「ウィンウィン(win-win)」であると強調した。
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summer blockbuster strategy(夏の超大作戦略) ―ハリウッド映画のビジネスモデルが破綻?―
2013年9月12日子どもたちの夏休み入りをにらんで、ハリウッドの超大作映画(blockbuster=ブロックバスター)は夏に集中する。米国の映画興行収入の4割は夏に発生するほどだ。1975年の『ジョーズ』以来続いてきたsummer blockbuster strategy(夏の超大作戦略)というビジネスモデルがなお健在なのだ。
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investment bank(投資銀行) ―リーマンショックから5年、ウォール街の覇者は…―
2013年9月5日リーマンショックから今月でちょうど5年になる。未曽有の金融危機のきっかけになったのは、リーマン・ブラザーズというinvestment bankの破綻だ。金融危機の中心にいたinvestment bankとは一体何なのか。
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chief executive officer(最高経営責任者) ―マイクロソフトを退任するバルマー氏は「代表取締役社長」?―
2013年8月29日会長と最高経営責任者(CEO)はどう違うのか。経営側のナンバーワンとナンバー2ではないのか。米マイクソフトのトップ人事が参考になる。同社では会長職とCEO職が分離されており、前者が共同創業者のビル・ゲイツ氏、後者が同社30人目の社員スティーブ・バルマー氏だ。そんな体制下で、バルマー氏が1年以内に退任すると発表した。
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Activist investor(アクティビスト投資家) ―アップル株大量取得のアイカーン氏は乗っ取り屋か?―
2013年8月22日億万長者の米投資家カール・アイカーン氏が8月中旬、ツイッターを通じて米アップル株の「大量取得」を明らかにした。その週(8月12~16日)だけで同社株は11%上昇、時価総額にして4兆円以上も膨らんだ。アイカーン氏にはいろいろな枕詞がつくが、最も一般的なのはactivist investorだ。日本語としてはそのまま「アクティビスト投資家」と訳されることも多いが、「物言う株主」と置き換えても大筋では間違いではない。上場企業の株式を大量取得して大株主として経営改革を働きかける点で同じだからだ。
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Classified information (秘密情報) ―スノーデン氏が暴露したトップシークレットとの違い―
2013年8月15日9月上旬に予定されていた米ロ首脳会談が取りやめになった。米政府による情報監視活動を暴露した中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン氏がロシアへの政治亡命を認められ、両国関係が悪化したためだ。
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Edge(インサイダー情報) ―巨大ヘッジファンドが誇った優位性の正体―
2013年8月1日7月下旬、米連邦大陪審がインサイダー取引(insider trading)の疑いでヘッジファンドのSACキャピタル・アドバイザーズを起訴した。SACは年初時点で150億ドル(約1兆5000億円)も運用する巨大金融機関だけに、インサイダー取引としては過去最大級の刑事事件になりそうだ。
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Discounted cash flow(割引キャッシュフロー) ―米デトロイト市破綻で判明した年金会計の杜撰―
2013年7月25日米ビッグスリーの本拠地として栄えたデトロイト市が負債総額180億ドル(約1兆8000億円)で破綻し、日本でも話題になっている。だが、日本ではほとんど伝えられていない話もある。同市の元職員や元警察官ら退職者に払う年金額の計算方法に深刻な誤りがあったというのだ。
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class action lawsuit(集団訴訟)とderivative lawsuit(株主代表訴訟)
2013年7月11日川崎重工業が三井造船との経営統合をめぐって事実と異なる発表をしたことで、6月中旬に東京証券取引所から注意された。統合に向けた交渉の事実があったにもかかわらず「ない」と言ってきたのだから、明らかにうそをついていたわけだ。なのに、単に東証が注意する(The Tokyo Stock Exchange issued a warning)だけで終わってしまうのか。
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employee director(従業員取締役)とnon-employee director(非従業員取締役)
2013年7月4日今年の株主総会で社外取締役をめぐって新たな動きがあった。社外取締役を置かない日本企業の代表格だったトヨタ自動車で3人の社外取締役が選任された。一方で、引き続き社外取締役を置かない方針のキヤノンでは、御手洗富士夫会長兼社長の取締役選任に対して多くの反対票が集まったのだ。
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unsolicited bid(非友好的買収提案)とhostile bid (敵対的買収提案)
2013年6月27日日本は企業を売り買いするM&A(mergers and acquisitions=合併・買収)市場としては歴史が浅く、こなれた日本語訳がないケースが多い。6月13日付の当コラムでも触れたように、proxy fight(委任状争奪戦)にもほんの10年前まで定訳がなかった。
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private equity fund(プライベートエクイティファンド)
2013年6月20日英語にすると関連性が明らかなのに、日本語にするとまったく異なる言葉として聞こえるビジネス用語がある。代表例がproxy statement(株主総会招集通知)とproxy fight (委任状争奪戦)だ。
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proxy statement(株主総会招集通知)とproxy fight (委任状争奪戦)
2013年6月13日英語にすると関連性が明らかなのに、日本語にするとまったく異なる言葉として聞こえるビジネス用語がある。代表例がproxy statement(株主総会招集通知)とproxy fight (委任状争奪戦)だ。
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Say on pay(役員報酬に物申す)
2013年6月6日6月下旬に日本企業の株主総会がピークを迎える。ひと足先に株主総会シーズン入りした米国で最も話題になったのは「役員報酬に物申す(say on pay)」だ。きっかけは、2008年のリーマンショック(金融危機)を受けて10年に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法=Dodd-Frank Act)。これによって企業は役員報酬(executive compensation)を総会議案に加え、株主の投票(shareholder vote)によって承認を得なければならなくなった。
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Spinoff(分離・独立)
2013年5月30日日本で最も誤解されているビジネス用語の一つがスピンオフ(spinoff)だ。「分社化」や「分離・独立」と訳されることが多いが、単純な部門売却とは違う。5月中旬、ソニーをめぐってspinoffが話題になった。米ヘッジファンド、サード・ポイントがソニー株の6%強を取得し、映画や音楽などのエンタテインメント部門のspinoffを提案したのだ。これに対して、ソニーは「エンタテインメント事業はソニーの成長にとって重要な事業で、売却の予定はない」とコメントした。
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Fiscal austerity(緊縮財政)
2013年5月4日リーマンショック以降、欧州諸国は緊縮財政を錦の御旗に掲げてきた。ギリシャの債務危機が欧州全般に伝播するなかで、歳出の規模を減らして債務を削減することを最優先してきたのだ。ところがここにきて雲行きが変わってきた。緊縮財政を続けても経済は回復しないのではないかという見方が広がり、緊縮財政の旗振り役でもあったドイツのアンゲラ・メルケル首相が集中砲火を浴びているのだ。