記事一覧:為替市場 透視眼鏡100

  • とっぴな日銀異次元緩和継続で15年末にドル円は120円に

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    とっぴな日銀異次元緩和継続で 15年末にドル円は120円に

    2013年10月19日号  

    ドル円相場は、5月22日に103.74円に達した後、98円プラスマイナス3円のレンジで膠着している。しかし、今年後半から来年にかけて米GDPの成長率が3%超となり、ドル円は再び100円を超えて上昇するとの基本観に変わりはない。アベノミクス始動直後から、米景気の自律回復に伴うドル高円安がどこまで進むか、検討してきた。結論として2015年末120円をメインシナリオとしている。

  • 東京五輪も支援材料になりドル円は105~110円へ

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    東京五輪も支援材料になり ドル円は105~110円へ

    2013年9月21日号  

    今秋から米国の景気回復は力強さを増し、ドル高基調がはっきりするとみる。ユーロ圏は景気後退を脱出し、日本経済はアベノミクスで上向いている。中国経済減速にも歯止めがかかってきた。米量的緩和縮小懸念でぐらついた新興諸国の経済・市場も落ち着くところが徐々に増えそうだ。

  • 中国破綻論には目下くみせず米景気に支えられ円安は続く

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    中国破綻論には目下くみせず 米景気に支えられ円安は続く

    2013年8月24日号  

    2013~15年、米国経済の回復を軸に、世界経済も底堅いとみている。この追い風に乗れば、アベノミクスは円安・株高とともに前進できる。この楽観シナリオに対するリスク要因は、第一に米財政・金融政策の「出口」への勇み足、第二に欧州債務問題の再燃、第三に中国経済の予想以上の悪化、である。とりわけ中国問題は実態が不透明な分、不安が増幅されやすい。中国は、08年の米国発の金融危機に際して果敢に政策発動し、世界経済の立ち直りに貢献した。中国のありさまを為替管理された人民元の観点から見てみよう。

  • 下落後の豪ドルに買い妙味復活円転リスク通貨投資をリード

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    下落後の豪ドルに買い妙味復活 円転リスク通貨投資をリード

    2013年7月20日号  

    オーストラリア(豪)ドルは何年にもわたり、日本人にも世界の投資家にも選好され続けたが、ここ1カ月強、大きく売り込まれた。今年の初めには、米景気回復への信認とともに、安倍相場で沸き立つ日本で、豪ドルへの強気見通しが目立ったが、当欄は、世界的には豪ドル相場の上値は重いと強調した。豪ドルの性質は明確だ。一つは経常赤字を累積する借金国通貨。もう一つは乱高下しやすい資源価格に連動するリスク通貨。この性格上、海外マネーを引きつけるために高金利である。豪ドルは、内外景気が好調なときには自国金利高と資源高を材料に上昇し、景況悪化時には資金繰り悪化と資源安が相乗的に作用して急落しがちだ。

  • 待望の90円台、ドル買いの好機円安回帰に向けた備えを

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    待望の90円台、ドル買いの好機 円安回帰に向けた備えを

    2013年6月22日号  

    安倍相場に5月下旬からようやく修正反落の場面が訪れた。アベノミクスの限界だの、リスクだのという声もチラホラ聞かれた。しかし、昨年11月半ばから6カ月間、日本株TOPIX(東証株価指数)は75%、ドル円は30%以上も上昇した。これほどの期間、これほどの値幅の相場で、押し目らしい押し目もなかったことのほうが特別である。いったん調整ともなれば、それ相応の反落になるのも自然なことだ。

  • 異次元緩和で安倍相場も進化年末110円、15年に120円

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    異次元緩和で安倍相場も進化 年末110円、15年に120円

    2013年5月25日号  

    ドル円は今年末110円、2015年に120円、こんな予想ではもはや誰も驚くまい。アベノミクスで日本市場は様変わりした。しかし円安・株高を急進展させた背景を正しく理解しないと、現状評価も予測も戦略もトンチンカンになる。実は安倍相場も進化しつつある。

  • 日銀の異次元緩和が裏付ける1ドル=120円の可能性

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    日銀の異次元緩和が裏付ける 1ドル=120円の可能性

    2013年4月20日号  

    ドル円は2015年に115円との当欄の円安見通しは、日本銀行の今回の「異次元」緩和によってより強く裏付けられた。黒田東彦新総裁初の金融政策決定会合は、2%のインフレ目標を2年間で達成すべく、14年末にマネタリーベース(=日銀当座預金+流通現金、以下MB)を現在の2倍、270兆円へ拡大させると決めた。そのために日銀は政府発行の国債の70%相当を毎月買い入れる。

  • 15年に1ドル=115円を想定“悪い円安”に転落するか土俵際

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    15年に1ドル=115円を想定 “悪い円安”に転落するか土俵際

    2013年3月23日号  

    円安と株高の好循環が続いている。日本銀行は黒田東彦新総裁を迎えて「これまでの次元を超えた」金融緩和に踏み出そう。ただし、量的緩和それ自体のマクロ経済的効果は限られる。米景気回復という追い風がなければ、日本の景気も物価も容易には浮揚できない。ただ幸いなことに、米経済は順調に自律回復しつつある。それに沿ってドル高・円安地合いが続くことで、日本の消費者物価指数(CPI)もじわりと高まる。

  • 米金利との連動はいったん断裂ドル円は90円台での上昇継続

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    米金利との連動はいったん断裂 ドル円は90円台での上昇継続

    2013年2月23日号  

    アベノミクスは5年に及んだ円高トレンドの潮目を変えた。安倍晋三首相は「これまでの次元を超えた金融緩和」を公約として掲げ、円安・株高を促してきた。昨年11月半ばに前政権が総選挙実施を表明して以降3カ月で、ドル円は79円台から94円台へ18%上昇した。ここ何年もドル円相場を読む最善のシグナルだった米国債2年物金利は今も0.25%前後にとどまり、80円以下のドル円水準を示唆している。なぜ円相場は金利シグナルからかけ離れて下落したのか。金利シグナルは死んだのか。

  • 循環的にも歴史的にも円は天井を付けた可能性あり

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    循環的にも歴史的にも 円は天井を付けた可能性あり

    2013年1月26日号  

    円はここ4カ月に対ドルで14%下落するなど全面安となった。安倍晋三・自民党総裁が政権復帰に際して公約した「これまでの次元を超える金融緩和」に市場は反応した。日本のマクロ政策への期待が市場を先導する展開はまさに驚きだった。筆者は、2013年はまず米景気回復がドル高・円安への動きを呼ぶと想定した。この見立ての下、「安倍相場」を当初主導した海外投機筋の円売り残高がほぼ限界水準に達した12月上旬、1ドル=83円手前で、いったん相場にスピード調整が起こる……と見誤っていた。

  • 金利と乖離し目先は円安一服も米経済回復で90円台を目指す

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    金利と乖離し目先は円安一服も 米経済回復で90円台を目指す

    2012年12月22日号  

    衆院選後の政権がどうなるか、読者が本欄を目にするころには方向性は定まっているだろう。選挙に向けたこの1カ月、次期首相と目された安倍晋三自民党総裁は、従来の次元を超えた金融緩和でデフレ脱却を果たすと繰り返し強調した。

  • 米国が来年2.5%超成長ならドルは80円台で上値切り上げへ

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    米国が来年2.5%超成長なら ドルは80円台で上値切り上げへ

    2012年11月24日号  

    世界経済は、相場で例えれば、ジグザグ変動して上値と下値を狭めていく三角もちあいの頂点に近づき、どん詰まってきた。2008年の米国発金融危機で急落した後、09年はG20各国の果敢な政策発動によって持ち直した。しかし米英は、10年以降も債務処理に圧迫され、追加政策で耐えるのに精一杯。そこに遅れて欧州危機が顕在化した。

  • ドル円はじわりと80円台へ円安持続の鍵は米国の自律回復

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    ドル円はじわりと80円台へ 円安持続の鍵は米国の自律回復

    2012年11月3日号  

    10月の市場はやや明るさを取り戻した。世界経済にはまだ紆余曲折が想定されるが、ユーロ圏では、ECB(欧州中央銀行)が南欧国債の無制限買い入れの意向を表明し、市場の底割れリスクが後退した。中国は直近のGDP成長率が8%を割り込んだが、これを底とする見方が少なくない。米経済は、雇用はいま一つながら、住宅や小売りに明るい変化が見られる。

  • 米国が世界回復の鍵となる半年円ジリ安で年末に向け80~82円

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    米国が世界回復の鍵となる半年 円ジリ安で年末に向け80~82円

    2012年9月29日号  

    今後数カ月、世界経済に薄明かりが差すと期待する。夏にかけて市場は冷え込んだ。米経済指標は春先までの堅調さを失い、欧州では南欧重債務国問題がこじれ、中国など新興国景気は減速した。

  • 秋以降米国の経済指標改善しドルは80円からじわり上昇

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    秋以降米国の経済指標改善し ドルは80円からじわり上昇

    2012年8月18日号  

    ドル円が80円付近から底堅い動きを見せるようになるのは秋からだろう。米金融緩和下のドル円は、米中期金利の動向に沿って動く傾向がある。米中期金利は数年先までの景気や金融政策の行方を織り込むシグナル。

  • 混乱下もユーロには金利の軸危機と政策対応で上下に変動

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    混乱下もユーロには金利の軸 危機と政策対応で上下に変動

    2012年6月30日号  

    ギリシャの再選挙では緊縮派2党が過半数を占め、同国がユーロ圏にとどまる期待が残った。ギリシャのユーロ離脱は世界をも巻き込むシステミックリスクを招きかねない。

  • 米国経済いったん減速、中期堅調。当面円高も、基調はドル優勢に

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    米国経済いったん減速、中期堅調。当面円高も、基調はドル優勢に

    2012年5月19日号  

    今回の円安に際して、日本の経常赤字化への懸念、日本銀行の一線を越えた金融緩和など、日本側の要因が円売り材料として喧伝された。しかしこれらが日本マネーの円安フローを伴う段階にはない。

  • 円安へのトレンド転換は尚早80円前後で振れの大きい展開に

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    円安へのトレンド転換は尚早 80円前後で振れの大きい展開に

    2012年4月7日号  

    ドル円相場は2、3月に76円台から一時84円台まで急伸した。直接の要因は堅調な米国景気とその金利上昇。背景には欧州発の世界危機リスクの後退があった。今年初め、市場は欧州危機を警戒する一方、リスク削減やヘッジなど危機対策をやり尽くした。

  • 困ったことに円は最強通貨世界景気悪化でさらに上昇も

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    困ったことに円は最強通貨 世界景気悪化でさらに上昇も

    2012年2月18日号  

    現在、欧州発の信用不安が世界経済を脅かしている。先行き不安は国際マネーの流れを鈍らせ、債務国通貨を債権国通貨に対して弱くさせる傾向にある。

  • 年前半は欧州不安が燻り続ける避難先とされた豪ドルにきしみ

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    年前半は欧州不安が燻り続ける 避難先とされた豪ドルにきしみ

    2012年1月14日号  

    2012年、世界経済はこの難局をかろうじて乗り切ると信じよう。最近の米国経済の指標改善は心強い兆候だ。当社は12年の米経済成長率を2.5%、13年も良好さを持続すると見ている。米景気が下支えされるなら、新興国の多くもハードランディングを懸念する必要はなくなる。

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記者の目

  • 編集委員 藤田章夫

    新NISAを追い風にする保険業界のしたたかさ

     新NISAが1月からスタートし、保険の販売には逆風かな?と思っていたら、「むしろ追い風になっていますよ」との声が多数。
     資産運用の相談に来た人に、「投資信託は資産が減ることもありますが、変額保険の死亡保険金額には最低保証があります」と言えば、「保険の方がいいか」となるようです。
     本来は、資産を運用したいのか保障が欲しいのか、目的に応じて使い分けたいところですが、これがかなり難しい。
     そこで、保険ジャーナリストの森田直子さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、保険と運用それぞれの立場から対談を行っていただきました。面白過ぎて、対談時間はあっという間に過ぎました。ぜひご一読ください。

  • 副編集長 名古屋和希

    “予定調和”の買収は今後減少?

     第一生命ホールディングスが3月に福利厚生代行のベネフィット・ワンを買収しました。この買収劇は異例の展開をたどりました。
     先に買収を表明したのは医療情報サイト運営のエムスリーでした。そこに第一生命が参戦したのです。結局、エムスリーよりも好条件を提示した第一生命が買収戦を制しました。大企業による対抗的な買収は極めて珍しいものです。
     従来、事業会社はイメージ悪化などを恐れ、「敵対的」な買収を控えてきました。ただ、近年はルール整備などを背景に「同意なき買収」が広がる機運が出ています。買収が活発になれば、企業・業界の新陳代謝も促せます。今後、“予定調和”の買収は減っていくかもしれません。

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表紙

特集保険vs新NISA 今「契約したい保険」は? 生保商品ベスト&ワーストランキング

保険とNISA、どちらに資金を振り向けるべきか──。新NISAをきっかけに投資熱が高まる中、多くの人が抱える悩みだ。そこで保険とNISAで迷ったときの考え方や保険の見直し方、保険のプロ29人が辛口採点した生命保険商品ランキングを、業界の深部…

特集2変局 岐路に立つNHK

NHKが大きな岐路に立たされている。今国会で放送法改正案が可決されれば、ネット視聴も受信料徴収の対象となる。一方で、今後、NHKの受信料収入は人口減やテレビ離れを背景に先細る可能性が高い。職員数1万人を誇る巨大公共放送機関は、「みなさまのN…