記事一覧:フロンティアの横顔51

  • 星野リゾートの挑戦

    フロンティアの横顔
    星野リゾートの挑戦

    2013年7月27日号  

    7月12日、星野リゾートが運営する星野リゾート・リート投資法人が上場した。いよいよ星野佳路社長の思い描くビジョンが実現に向けて加速しつつある、と感じた。というのも、星野リゾートが運営する宿泊施設32物件のうち、運営のみならず自ら所有しているのが13物件。このうち、6物件を投資法人に売却、星野リゾート自体は運営に特化していく方針を明確にしたからだ。

  • 華僑重鎮の「人脈力」

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    華僑重鎮の「人脈力」

    2013年7月20日号  

    内閣府の西村康稔副大臣は、アベノミクスについて理解してもらおうと世界中で講演している。6月28日には、浜田宏一内閣官房参与と共にニューヨークで米投資家向けに講演。今後も、数人の著名な経済学者と共に世界各地で講演を行う予定だ。そのうち、香港における講演の調整役を務めたのが、日本をよく知る香港の投資家、ヴィクター・チュー氏である。

  • アジア人の父親的存在

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    アジア人の父親的存在

    2013年7月13日号  

    マレーシアのマハティール首相は1980年代、日本の戦後の復興ぶりを見て、マレーシアに日本の小売業を誘致したいと考えた。その後、イオンが進出。以来30年がたった。現在、イオンは買収した店舗も含め、マレーシア国内で57店舗を展開している。「マレーシアに投資をするなら、イオンの周りを探せば投資案件が見つかる」と言われるまでになっている。

  • 松本大の素朴な疑問

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    松本大の素朴な疑問

    2013年7月6日号  

    先日、とあるフォーラムでマネックスグループの松本大氏に久しぶりに会った。なにやら腑に落ちない表情をしている。「アベノミクスで景気がにわかによくなり、気になり始めたことがある」という。最近、よく耳にする「コーポレートガバナンス」という言葉。日本では「企業統治」と訳され、社外取締役の必要性と関連づけられることが多い。どうやら松本氏の今のもっぱらの関心は、この言葉にあるらしい。そしていつもの彼らしく、素朴な疑問を口にした。

  • 横浜市長と待機児童

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    横浜市長と待機児童

    2013年6月29日号  

    安倍晋三首相が2017年度までに「待機児童をゼロに」と表明したが、「待機児童」の文字を目にするたびに、まだ解決していないのかともどかしさを感じていた。だが、2年前まで待機児童数が1500人と全国最多だった横浜市が今年、ついにゼロを達成した。国の規制の枠がある中、自治体の行政は成果を収めることができるのだと再認識し、新鮮だった。

  • 猪瀬都知事の発想

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    猪瀬都知事の発想

    2013年6月22日号  

    数年前、シンガポールで感じたことがある。東京23区ほどの広さしかない小さな国が、外資系企業誘致のため、ありとあらゆる手だてを講じていたのを見るにつけ、東京の世界におけるハブ機能がかすんで見えた。そうした東京の起死回生を図ろうと猪瀬直樹・東京都知事が先日、打ち上げた「アジアヘッドクオーター構想」が面白い。その中身は、東京の標準時間を2時間前倒しするというものだ。

  • 与謝野馨が眺める消費増税

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    与謝野馨が眺める消費増税

    2013年6月15日号  

    このところの消費増税の議論について耳にすると、その充当先となる「社会保障制度」が真っ先に思いつく。そして次に、与謝野馨氏が頭に浮かぶ。現在5%の消費税が、2014年4月には8%に。そして15年10月には10%に、2段階に分けて増税される予定だ。その決断は今年、秋である。

  • ロイヤル流の社員教育

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    ロイヤル流の社員教育

    2013年6月8日号  

    海外で、外国人投資家が日本の中小企業への投資を検討する場に同席させてもらったことがある。投資家は、差し出された資料のある一点を、穴が開くほど見つめていた。それは、売上高や営業利益ではなく、キャッシュフロー表。彼は長い時間、そうしていた。そして何も言わなかった。納得がいったふうではなかった。日本では経営上、まだまだ売り上げや営業利益が重視されがちだ。だが、外国人投資家は、投資先企業が現金をため込むのを嫌う。キャッシュフローからそれを、彼らは判断する。

  • サッチャー元英首相の右腕

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    サッチャー元英首相の右腕

    2013年6月1日号  

    4月8日の英国マーガレット・サッチャー元首相死去のニュースは、衝撃的だった。昨今のジェンダーフリー思想にはあまり積極的には与しないが、同じ女性として、1970年代に家庭を持ちながらも仕事を最前線でこなすサッチャー氏には、憧れにも似た気持ちを持っていた。

  • 規制と戦う社長たち

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    規制と戦う社長たち

    2013年5月25日号  

    薬のネット販売を規制するのは、21世紀の赤旗法か──。赤旗法といえば、1800年代の英国にあった法律だ。蒸気バスに乗客を奪われたことに反発した馬車運送業者たちの働きかけによって成立したもので、自動車は赤旗を持った者が先導しなければ走ることができなかった。車が接近していることを知らせることが目的とされたが、これにより自動車は速度制限され、英国の自動車産業が後れを取った原因とされる。

  • あのときの黒田総裁

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    あのときの黒田総裁

    2013年5月18日号  

    今から11年前の2002年2月。当時、財務省の黒田東彦財務官に初めてお会いした際、テレビカメラの前ではどのような話しぶりを見せる方なのだろう、と内心不安だった。ドイツの経済学の原書をも読破してしまうほどの博識だと聞いていたからだ。前任者の榊原英資氏が公にダイナミックな持論を説くことが多かっただけに、その陰に隠れたことも相まって、控えめな方との印象が強かった。が、ひとたびカメラを向けられると、穏やかながらも論点は明確で、静かに人を惹きつける「華」があった。

定期購読キャンペーン

記者の目

  • 編集委員 藤田章夫

    新NISAを追い風にする保険業界のしたたかさ

     新NISAが1月からスタートし、保険の販売には逆風かな?と思っていたら、「むしろ追い風になっていますよ」との声が多数。
     資産運用の相談に来た人に、「投資信託は資産が減ることもありますが、変額保険の死亡保険金額には最低保証があります」と言えば、「保険の方がいいか」となるようです。
     本来は、資産を運用したいのか保障が欲しいのか、目的に応じて使い分けたいところですが、これがかなり難しい。
     そこで、保険ジャーナリストの森田直子さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、保険と運用それぞれの立場から対談を行っていただきました。面白過ぎて、対談時間はあっという間に過ぎました。ぜひご一読ください。

  • 副編集長 名古屋和希

    “予定調和”の買収は今後減少?

     第一生命ホールディングスが3月に福利厚生代行のベネフィット・ワンを買収しました。この買収劇は異例の展開をたどりました。
     先に買収を表明したのは医療情報サイト運営のエムスリーでした。そこに第一生命が参戦したのです。結局、エムスリーよりも好条件を提示した第一生命が買収戦を制しました。大企業による対抗的な買収は極めて珍しいものです。
     従来、事業会社はイメージ悪化などを恐れ、「敵対的」な買収を控えてきました。ただ、近年はルール整備などを背景に「同意なき買収」が広がる機運が出ています。買収が活発になれば、企業・業界の新陳代謝も促せます。今後、“予定調和”の買収は減っていくかもしれません。

最新号の案内24年4月27日・5月4日合併特大号

表紙

特集保険vs新NISA 今「契約したい保険」は? 生保商品ベスト&ワーストランキング

保険とNISA、どちらに資金を振り向けるべきか──。新NISAをきっかけに投資熱が高まる中、多くの人が抱える悩みだ。そこで保険とNISAで迷ったときの考え方や保険の見直し方、保険のプロ29人が辛口採点した生命保険商品ランキングを、業界の深部…

特集2変局 岐路に立つNHK

NHKが大きな岐路に立たされている。今国会で放送法改正案が可決されれば、ネット視聴も受信料徴収の対象となる。一方で、今後、NHKの受信料収入は人口減やテレビ離れを背景に先細る可能性が高い。職員数1万人を誇る巨大公共放送機関は、「みなさまのN…