記事一覧:Close Up709

  • 瀬戸英雄(企業再生支援機構委員長)インタビュー

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    瀬戸英雄(企業再生支援機構委員長)インタビュー

    2013年3月16日号  

    JALの再生をめぐり、手厚い保護だったとか情緒論が先行しているが、支援の中身を整理して見る必要がある。企業再生支援機構がJALの再生計画を策定した当時は、2次破綻するという意見が大半だった。税金を投入したわけではない。政府保証を付けて機構が民間市場から借りた3500億円を投入しただけ。万が一、JALに対する投資が失敗すると国民負担が発生するリスクがあったため、関係者全員が必死になって再生に取り組んだ結果だ。

  • 再生JAL値下げ攻勢に不満続出 政治巻き込む航空業界の“地上戦”

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    再生JAL値下げ攻勢に不満続出 政治巻き込む航空業界の“地上戦”

    2013年3月16日号  

    公的支援を受けて再生したJALの値下げ攻勢に、航空各社から不満の声が噴出している。近年まれに見る大型企業再生は業績回復をもってめでたしとはならず、不公平論に発展、“地上戦”と化している。各社の思惑が入り乱れ、主張しなければ損とその声は大きくなるばかり。利用者目線の置き去りが懸念される。

  • 高まる期待と立ちはだかる難題日銀新総裁“脱デフレ”への挑戦

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    高まる期待と立ちはだかる難題 日銀新総裁“脱デフレ”への挑戦

    2013年3月9日号  

    日本銀行の総裁・副総裁人事が固まった。新体制は、デフレ脱却という悲願に向け、大きな責任を負うことになる。市場の期待は、既に大きく膨らんでいる。だが、実際に事を進めるのは、そう簡単ではない。大幅金融緩和の副作用への対処、日銀内の組織統制、政府や省庁との調整など、新総裁を待ち受けるハードルは高い。

  • ウォン高で経済成長が低迷韓国新政権の前途多難な門出

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    ウォン高で経済成長が低迷 韓国新政権の前途多難な門出

    2013年3月2日号  

    2月25日に韓国の朴槿恵政権が発足する。ウォン高で輸出が振るわず低迷する経済への対処が急務になる。「経済民主化」を公約に掲げていただけに、財閥優遇の政策見直しに着手することも確実視される。ソウル在住の韓国人ジャーナリストが、現在の韓国経済と朴新政権が抱える課題を詳細に分析する。

  • 法令違反の疑いも浮上する名門・南山学園の資産運用の闇

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    法令違反の疑いも浮上する 名門・南山学園の資産運用の闇

    2013年2月23日号  

    デリバティブ(金融派生商品)取引で、229億円もの巨額損失を出した南山学園(名古屋市)。名門私立大学、南山大学などを運営する学校法人が、デリバティブ契約直後に、契約した証券会社から不透明な寄付金を受けていたことが、本誌の取材でわかった。専門家からは、法令違反の疑いも指摘されている。

  • コメ先物市場の取引低迷集約された国内市場の先行き不安

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    コメ先物市場の取引低迷 集約された国内市場の先行き不安

    2013年2月23日号  

    2011年8月、72年ぶりに試験上場にこぎ着けたコメ先物市場が試練を迎えている。今年2月12日、経営難で解散が決定している東京穀物商品取引所から、コメ先物取引を大阪堂島商品取引所(関西商品取引所から改称)が引き取った。業界の期待を受けて復活したはずのコメ先物市場は、今後どうなるのか。

  • 住友化学の国内エチレン撤退で露と消えた三井の大連合構想

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    住友化学の国内エチレン撤退で 露と消えた三井の大連合構想

    2013年2月16日号  

    化学大手の住友化学と三井化学が国内石油化学の再編で袂を分かつ決断を下した。自動車産業や電機産業を川上で支えてきた化学産業は、国内の産業空洞化と国際競争激化の板挟みになり、石油化学製品の核であるエチレンは国内設備の余剰問題を抱えている。今回の決断をもってしてもなお、生産能力の過剰状態は続く。

  • 「飛べない787型機」で露呈した戦後日本の航空機産業の問題点

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    「飛べない787型機」で露呈した戦後日本の航空機産業の問題点

    2013年2月16日号  

    日本のANAが最初の大口顧客だったことから“夢の旅客機”と喧伝された米ボーイングの787型機。トラブルの続発により、世界で運航中だった全50機が地上に降りてから1カ月を迎えようとしている。未だ事故原因は究明中であり、解決には時間がかかると見られる中、戦後日本の航空機関連産業のあり方を探った。

  • 石炭火力に立ちふさがる環境省東電再生と電力再編に大きな壁

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    石炭火力に立ちふさがる環境省 東電再生と電力再編に大きな壁

    2013年2月9日号  

    石炭火力発電をめぐり、経済産業省と環境省が水面下で激しい応酬を繰り広げている。原子力発電に次いで低コストの石炭火力を推し進めたい経産省と、二酸化炭素の排出の観点から反対姿勢を貫く環境省。議論の硬直は、火力再編を目指す東京電力の再生計画を揺るがし、ひいては電力業界の改革にも影響を及ぼしている。

  • 東芝とGEが“火力”で合弁設立へ 再編劇“第2章”突入の内幕

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    東芝とGEが“火力”で合弁設立へ 再編劇“第2章”突入の内幕

    2013年2月9日号  

    結束と別離──。東芝、日立製作所、米ゼネラル・エレクトリック(GE)という3社の間で、業界関係図が同時進行で塗り替わっていた。三菱重工業と日立の火力発電システム事業統合の発表から2カ月、東芝とGEも合弁会社設立に向けた覚書を交わした。そこに至るまでの内幕と、業界へのインパクトに迫った。

  • 新日鐵住金は逃げられない?迷走が続く中山製鋼所の再建

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    新日鐵住金は逃げられない? 迷走が続く中山製鋼所の再建

    2013年2月2日号  

    過去3期連続で最終赤字を計上した大阪の中山製鋼所は、今期も赤字になることがほぼ確実視される。現在、水面下で私的整理による経営再建を目指す同社は、歴史的に旧新日本製鐵(現新日鐵住金)と関係が深いことでも知られる。中山製鋼所グループ内に不協和音を抱えたまま、2月中に再建計画をまとめられるのか。

  • 平井一夫(ソニー社長)インタビュー

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    平井一夫(ソニー社長)インタビュー

    2013年1月26日号  

    世界でソニーのテレビのシェアが下がっているのは、まず出血を止めないといけないからだ。今までのように出荷台数が増えるほどに赤字も増えるビジネスなどあり得ない。2011年にテレビ事業の黒字化計画を発表し、健全化のためにシェアや台数は追わないと宣言した。

  • 超高精細動画4Kバブル到来世界最大の家電見本市CES

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    超高精細動画4Kバブル到来 世界最大の家電見本市CES

    2013年1月26日号  

    1月8~11日、世界最大の国際家電見本市「International Consumer Electronics Show」(CES)が米国ラスベガスで開催された。今年は3250社超が出展し、来場者も15万人以上となるなど過去最大規模の祭典になった。華やかな会場で、今年の家電のトレンドを追った。

  • 商船三井が抱えた時限爆弾第一中央汽船が資金集めに奔走

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    商船三井が抱えた時限爆弾 第一中央汽船が資金集めに奔走

    2013年1月26日号  

    未曾有の海運バブルから一転して、市況悪化で大氷河期に突入した海運業界。三光汽船が倒産したのに続き、商船三井の関連会社、第一中央汽船が経営危機に直面している。商船三井が150億円の資本を注入しただけでは足りず、取引先にも支援要請を始めた。要請を受けた造船所、船主には当惑の声が広がっている。

  • 百貨店初売り商戦の明と暗瀬戸際に立つ独自色路線

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    百貨店初売り商戦の明と暗 瀬戸際に立つ独自色路線

    2013年1月19日号  

    一年を占う上で毎年注目を集める百貨店の初売り商戦だが、特に今年は注目される。というのも、2012年は、長らく低迷が続いてきた百貨店業界全体の売上高が16年ぶりに前年を上回ったことが確実だからだ。それが1年の特殊事情だったのか、それとも市場は底を打ったのか。見極めるためにも13年は重要な年となる。

  • 債務者を犯罪の“手駒”に巧妙化するヤミ金の手口

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    債務者を犯罪の“手駒”に 巧妙化するヤミ金の手口

    2013年1月12日号  

    改正貸金業法の完全施行から2年半。法改正を成立させた自民党は与党に返り咲き、その政策集の中で貸金業法の再改正をうたう。自らの失敗を認めた格好だが、その間にヤミ金業者の手口は、ますます巧妙化するばかりだ。昨今では、ヤミ金業者が自らの債務者を犯罪の“手駒”として利用するケースが急増している。

  • 金融庁の不興を買ったゆうちょ銀 融資業務参入に垂れ込める暗雲

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    金融庁の不興を買ったゆうちょ銀 融資業務参入に垂れ込める暗雲

    2013年1月5日号  

    政府の郵政民営化委員会は12月18日、ゆうちょ銀行が認可申請している住宅ローンなどの新規業務について、条件付きながらゴーサインを出す意見書をまとめた。一方で、認可権限を持つ金融庁は、審査に対するゆうちょ銀の姿勢を問題視。「現状で認可は考えていない」とのコメントを出す異例の事態に発展した。

  • 安倍効果で株価1万円回復も銀行が恐れる新政権の落とし穴

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    安倍効果で株価1万円回復も 銀行が恐れる新政権の落とし穴

    2013年1月5日号  

    12月16日の衆院選で自民と公明の両党が全議席の3分の2超を獲得。自民党の安倍晋三総裁の掲げるリフレ政策が現実味を帯びてきたが、関係者の本音からは危うい現実が浮かび上がる。

  • 西友の不正は氷山の一角揺らぐ薬の登録販売者制度

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    西友の不正は氷山の一角 揺らぐ薬の登録販売者制度

    2012年12月22日号  

    一般用医薬品(大衆薬)の販売資格である登録販売者の試験をめぐり、不正が相次いでいる。11月には西友が大規模な不正受験を行ったことを公表したが、今後も同様の事例が増える可能性は高い。早急に対策を講じなければ、登録販売者制度の崩壊を招きかねない。

  • ソフトバンクのスマホ決済にカード業界からは犯罪誘発の声

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    ソフトバンクのスマホ決済に カード業界からは犯罪誘発の声

    2012年12月22日号  

    今年9月、ソフトバンクと米国ペイパルという日米タッグが開始したスマートフォン決済「ペイパルヒア」。利便性と安さを武器に、カード後進国といわれる日本の決済市場を激変させるとの期待がある一方、トラブルの未然防止に重きを置く国内カード業界の常識との隔たりから、犯罪やトラブル誘発の懸念も出ている。

定期購読キャンペーン

記者の目

  • 編集委員 藤田章夫

    新NISAを追い風にする保険業界のしたたかさ

     新NISAが1月からスタートし、保険の販売には逆風かな?と思っていたら、「むしろ追い風になっていますよ」との声が多数。
     資産運用の相談に来た人に、「投資信託は資産が減ることもありますが、変額保険の死亡保険金額には最低保証があります」と言えば、「保険の方がいいか」となるようです。
     本来は、資産を運用したいのか保障が欲しいのか、目的に応じて使い分けたいところですが、これがかなり難しい。
     そこで、保険ジャーナリストの森田直子さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、保険と運用それぞれの立場から対談を行っていただきました。面白過ぎて、対談時間はあっという間に過ぎました。ぜひご一読ください。

  • 副編集長 名古屋和希

    “予定調和”の買収は今後減少?

     第一生命ホールディングスが3月に福利厚生代行のベネフィット・ワンを買収しました。この買収劇は異例の展開をたどりました。
     先に買収を表明したのは医療情報サイト運営のエムスリーでした。そこに第一生命が参戦したのです。結局、エムスリーよりも好条件を提示した第一生命が買収戦を制しました。大企業による対抗的な買収は極めて珍しいものです。
     従来、事業会社はイメージ悪化などを恐れ、「敵対的」な買収を控えてきました。ただ、近年はルール整備などを背景に「同意なき買収」が広がる機運が出ています。買収が活発になれば、企業・業界の新陳代謝も促せます。今後、“予定調和”の買収は減っていくかもしれません。

最新号の案内24年4月27日・5月4日合併特大号

表紙

特集保険vs新NISA 今「契約したい保険」は? 生保商品ベスト&ワーストランキング

保険とNISA、どちらに資金を振り向けるべきか──。新NISAをきっかけに投資熱が高まる中、多くの人が抱える悩みだ。そこで保険とNISAで迷ったときの考え方や保険の見直し方、保険のプロ29人が辛口採点した生命保険商品ランキングを、業界の深部…

特集2変局 岐路に立つNHK

NHKが大きな岐路に立たされている。今国会で放送法改正案が可決されれば、ネット視聴も受信料徴収の対象となる。一方で、今後、NHKの受信料収入は人口減やテレビ離れを背景に先細る可能性が高い。職員数1万人を誇る巨大公共放送機関は、「みなさまのN…