記事一覧:Book Reviews 知を磨く読書234

  • 誰にでもある孤独死の可能性

    Book Reviews 知を磨く読書
    誰にでもある孤独死の可能性

    2019年04月27日号  

    菅野久美子著『超孤独死社会』は、孤独死や自殺などの処理をする特殊清掃業者に焦点を絞って現下日本社会が抱える問題を掘り下げた意欲作だ。〈特殊清掃業者にとって、孤独死の最も多く発生する夏場はかき入れ時だ。中には現場から現場へ飛び回り、2ヵ月ほど不休でひっきりなしに働き続け、年間利益のほとんどを稼ぎ出す業者もいるぐらいだ。この特殊清掃需要の背景にあるのが、右肩上がりで増え続けている孤独死である。(中略)特殊清掃業者が手がけるのは、もちろん孤独死だけではない。

  • 国民の税金で生存する階級

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    国民の税金で生存する階級

    2019年04月20日号  

    稲垣良典著『神とは何か』を読むと現代カトリシズムの内在的論理がよく分かる。〈本書を書いていた間中、つねに私の頭に去来していたのは、ここで述べているキリスト教的「神」理解と、日本的霊性・宗教性の形成に寄与し、またそれを表現した人物たちの「神」理解とはどのように関係づけられるか、という問題であった。

  • 資本主義体制下での自己実現

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    資本主義体制下での自己実現

    2019年04月13日号  

    橋本卓典著『未来の金融』を読むと現下日本の金融業界が抱えている構造的危機がよく分かる。〈確率と計測は、常に過去に引っ張られる。何度でもしつこく述べるが過去と異なるパラダイムシフトが始まる時、過去の確率と計測は意味を失う。未来が過去の延長線上にあると思い込むこと自体が危うい。

  • 愚行権を尊重する社会

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    愚行権を尊重する社会

    2019年04月06日号  

    山口揚平著『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』で著者は、〈お金は誰でもわかるというその汎用性の強さをもって社会性を拡張した。だが人間は社会性だけでは生き残れない。お金の持つ強すぎる汎用力は、個性や心を犠牲にした。それが私たちが潜在的にお金を嫌う理由である。個性の喪失はアイデンティティの喪失につながると恐れるからだ〉と指摘する。

  • 30代で35年ローンを組む異常

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    30代で35年ローンを組む異常

    2019年03月30日号  

    朝日新聞取材班著『負動産時代』は、日本の不動産ビジネスが抱える問題を構造的に解明した優れたノンフィクションだ。

  • 中国を支配する秘密結社

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    中国を支配する秘密結社

    2019年03月23日号  

    楊海英著『独裁の中国現代史』は、中国について知るための必読書だ。

  • 短期的利益にしか関心がない人

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    短期的利益にしか関心がない人

    2019年03月16日号  

    ヤニス・バルファキス著(関美和訳)『父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』は、ギリシャで財務大臣を務めたことがある著者が現代経済について分かりやすく解説した好著だ。

  • 安倍長期政権を維持する鍵

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    安倍長期政権を維持する鍵

    2019年03月09日号  

    瀧澤弘和著『現代経済学』は、現下の経済学の潮流を分かりやすく解説した好著だ。

  • 少しだけしか成長しない時代

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    少しだけしか成長しない時代

    2019年03月02日号  

    村松剛著『新版 ナチズムとユダヤ人』を読むと凡庸で出世にしか関心がない人が、巨悪に手を染める構造がよく見えてくる。〈アイヒマンは自分の階級が上がった日付は、じつによくおぼえています。彼は万年課長でいることに不満をもち、大佐になりたくて仕方がなかった。

  • 最良の小中学生向け理科入門書

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    最良の小中学生向け理科入門書

    2019年02月23日号  

    松岡正剛著『理科の教室』における1861年に原著が刊行されたファラデーの『ロウソクの科学』に関する記述が興味深い。

  • 人生設計と価値観の転換

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    人生設計と価値観の転換

    2019年02月16日号  

    大江英樹著『定年前』は、定年後の人生設計の心構えについて説いた良書だ。〈多くの会社では「役職定年」という制度があります。

  • 良い情報を手に入れる早道

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    良い情報を手に入れる早道

    2019年02月09日号  

    佐藤卓己著『テレビ的教養』は、テレビというメディアが民主主義にとって重要であることを解明した好著だ。

  • 旧海軍将校たちが語った特攻

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    旧海軍将校たちが語った特攻

    2019年02月02日号  

    戸髙一成編『特攻 知られざる内幕』は、旧海軍将校たちが戦後、太平洋戦争における日本の過ちについて率直な意見を交わした「海軍反省会」の記録から、特別攻撃隊に関する発言をまとめたものだ。

  • フェイクニュースへの耐性

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    フェイクニュースへの耐性

    2019年01月26日号  

    中谷巌著『「AI資本主義」は人類を救えるか』は、一級の経済学者が文明論的視座から現代資本主義を読み解いた名著だ。中谷氏は、健全な資本主義のためには他者を包摂する思想が重要であると説く。

  • 職場にもやもやしている人

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    職場にもやもやしている人

    2019年01月19日号  

    髙良毅著『がんの町医者』からは、がんに取り組む開業医の真摯な姿勢が伝わってくる。

  • 再び革命運動が起きる可能性

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    再び革命運動が起きる可能性

    2019年01月12日号  

    藤井厳喜、石平著『米中「冷戦」から「熱戦」へ』では、2018年10月4日に米国のハドソン研究所でマイク・ペンス米副大統領が行った演説を詳細に分析することを通じ、米中関係の位相が変化したとの見方が示されている。

  • 補助科学としての数学の活用

    Book Reviews 知を磨く読書
    補助科学としての数学の活用

    2018年12月22日号  

    ドイツのメルケル首相が旧東ドイツの牧師の娘だったということは有名だ。アンゲラ・メルケル著『わたしの信仰』を読むと、彼女のキリスト教に関する知識と霊性が、プロテスタント教会の牧師としても通用するレベルの高さであることが分かる。

  • 元防衛事務次官の憲兵隊構想

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    元防衛事務次官の憲兵隊構想

    2018年12月15日号  

    久保田勇夫著『新装版 役人道入門』では、官僚の技法が見事に伝授されている。特に興味深いのが上司との接し方だ。

  • 宗教の危険性に対する警鐘

    Book Reviews 知を磨く読書
    宗教の危険性に対する警鐘

    2018年12月08日号  

    小笠原喜康著『最新版 大学生のためのレポート・論文術』は、技法のみならず思考を深める観点からも有益だ。批判する際には、先行研究の内在的論理を正確に捉えることが何よりも重要である。

  • 米軍の教本に基づく意思決定

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    米軍の教本に基づく意思決定

    2018年12月01日号  

    木村草太、佐藤優、山川宏著『AI時代の憲法論』において、木村氏は、〈この本の発端となった私の着想は、トランプの行動は、「得票最大化のための特化型AI」のように見えるというものでした……〉と述べる。

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記者の目

  • 編集長 山口圭介

    「スポーツのように勉強しろ」

     大学は実学を学ぶ商学部でした。「バカ商」「ラク商」の俗称通り、お気楽な学生生活を送っていましたが、超絶硬派な企業・産業分析のゼミに入ってしまい、生活が一変しました。
     指導教授によく言われたのが「スポーツのように勉強しろ」。何度も失敗しながら〝型〟を覚えていかなければ、学問は身に付かないと。当時得た財務知識は今の仕事の土台になっています。
     大切なのは質の高い失敗をすること。ただ、ビジネスマンに必須の財務の学習では、内容が不親切、難解など、最初の参考書選びで失敗し、挫折する人も多いようです。
     今回の大特集は徹底的に分かりやすさにこだわった財務3表の読解術が売りです。ぜひご一読を。

  • 副編集長 清水量介

    今回の特集とセットの「兄弟特集」とは

     本誌の決算書特集チームが担当する決算書特集シリーズ。今回は、本誌史上最高の楽チンさを実現しています。
     そして、今回の特集がいつもと違うのは、セットの「兄弟特集」があることです。
     5月18日号(13日発売)では「超やさしい! 英語で決算書入門」(仮)と題して、海外企業の決算書の特集を予定しています。
     米国や中国の企業が多数登場。GAFAなど巨大IT企業のビジネスモデルの何がすごいのかが、よく分かるようになっています。もちろん英語の習得にも役立ちます。
     2号をセットで読めば、もうあなたは決算書マスターです。今号を熟読し、そちらもご購入いただけたら幸いです。

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