記事一覧:Book Reviews 知を磨く読書168

  • 宗教と国体論の危険な関係

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    宗教と国体論の危険な関係

    2017年12月16日号  

    水野操著『AI時代を生き残る仕事の新ルール』は、AI(人工知能)との付き合い方を知るためのよい手引きだ。〈本書では、AI時代に本当に私たちの仕事は失われていくのか、あるいはそれは大げさな話なのかを考察してきた。

  • 伊藤博文の天皇観と合理主義

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    伊藤博文の天皇観と合理主義

    2017年12月09日号  

    天皇の生前退位の意義を理解する上で、明治期に伊藤博文が日本国家の基礎をどのように構築したかについて、きちんと理解することが前提条件となる。飛鳥井雅道著『明治大帝』における〈依然として流動的な、基礎が確立していない日本近代社会の「機軸」として、宗教でも法でもない「天皇」の存在を流しこんでゼラチンのような役割をはたさせること、ここに伊藤の最大の課題がかけられていた。

  • 教育費の財源問題で政局化か

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    教育費の財源問題で政局化か

    2017年12月02日号  

    鯨岡仁著『日銀と政治』は、政治と日本銀行との相互関係を詳細に描いた傑作だ。大きな流れでは、日銀の専門家集団よりも政治の力が強くなっている。今後の政局にも影響を与え得るのは、子どもの教育のための財源の問題だ。

  • ホワイトカラーの労働者化

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    ホワイトカラーの労働者化

    2017年11月25日号  

    ライアン・エイヴェント著『デジタルエコノミーはいかにして道を誤るか』は、優れた現状分析兼近未来予測の書だ。〈世界中の低スキル労働者を高学歴化するのは、おそらく低スキル労働者にとっては良いことだろう。

  • 指導者たちの内在的論理を知る

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    指導者たちの内在的論理を知る

    2017年11月18日号  

    木村誠著『大学大倒産時代』は、国公立、私立、都会、地方などさまざまな大学の将来について詳細に論じた良書だ。〈現在大学教育は、総じてPBL(課題解決型授業)や反転授業(全員予習を前提に発表や討論する)などアクティブ・ラーニングを重視している。

  • 世界規模のポストモダン現象

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    世界規模のポストモダン現象

    2017年11月11日号  

    亀山郁夫、沼野充義著『ロシア革命100年の謎』において亀山氏は、〈主として今の公式文化におけるポストモダンはイデオロギー的なものに規定されているけれども、非公式文化のほうはむしろ芸術手法的な側面で、それまでのモダン的なものを追求するというところから、過去にも意識が向かった。

  • 前科者に冷たい日本社会

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    前科者に冷たい日本社会

    2017年11月04日号  

    本田晃一著『はしゃぎながら夢をかなえる世界一簡単な法』は、カネとの付き合い方の秘訣を記した優れた自己啓発書だ。本田氏は、〈お金を手に入れるのにものすごくストレスたっぷりだったり、人をだましたり、自分を苦しめたりしていると、そのお金はマイナスのエネルギーだらけでまっ黒になります。

  • 着目すべき北極海の重要性

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    着目すべき北極海の重要性

    2017年10月28日号  

    ジェイムズ・スタヴリディス著『海の地政学』は、米海軍大将(退役)で前NATO(北大西洋条約機構)欧州連合軍最高司令官の著者による優れた地政学書だ。スタヴリディス氏は北極海の重要性を強調する。〈二〇四〇年には一年中通行が可能になり、さらに一〇年後には北極を覆う氷はなくなるだろう。

  • 刑務所暮らし経験者の本音

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    刑務所暮らし経験者の本音

    2017年10月21日号  

    橋爪大三郎著『世界は四大文明でできている』は、組織でリーダーとなる人が知らなくてはならない文明観について、学術的水準を落とさずに注意しつつ、分かりやすく書いている。〈ビジネスも、政治や軍事や外交も、学術交流も、人間のやることです。

  • 地図から浮かぶ歴史のリアル

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    地図から浮かぶ歴史のリアル

    2017年10月14日号  

    地図には多くの情報が埋め込まれている。外川淳著『地図から読み解く戦国合戦』は、地図を丹念に読み込むことによって、戦国合戦をリアルに再現した名著だ。関ヶ原の戦いで東軍(徳川方)が勝利する上で重要な役割を果たしたのが西軍(豊臣方)から寝返った小早川秀秋だ。外川氏は、秀秋の参謀だった稲葉正成の決断と行動について詳細に分析する。

  • ケータイによる日本語の乱れ

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    ケータイによる日本語の乱れ

    2017年10月07日号  

    サイモン・ホロビン著『スペリングの英語史』は、携帯メールの普及によるスペリングの変化についてこんな見方を示す。〈2006年のスコットランドのスタンダード・グレード(訳注:かつて行なわれていた中等教育課程)試験の試験官は、いくつかの問題が携帯メール使用に起因しうることを報告した。

  • ルター宗教改革の根幹

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    ルター宗教改革の根幹

    2017年09月30日号  

    おおたとしまさ著『名門校「武蔵」で教える東大合格より大事なこと』は、武蔵中高の教育を肯定的に書いた広報的性格が強い本だ。〈武蔵では中三で第二外国語が必修だ。ドイツ語、フランス語、中国語、韓国朝鮮語から選択する。これまた大学受験にはおよそ関係がない。

  • 社会に活力をもたらす対策

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    社会に活力をもたらす対策

    2017年09月23日号  

    湯浅誠著『「なんとかする」子どもの貧困』は、観念論を排して現実的に思考し、実効性のある提案をしているところに特徴がある。湯浅氏は、格差を全面的に否定しているのではない。〈個人レベルでは、ある程度の格差は努力の源泉になる。「自分だって、やってやる」と。

  • 日本のフリーメイソン陰謀論

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    日本のフリーメイソン陰謀論

    2017年09月16日号  

    橋爪大三郎著『フリーメイソン』は、この秘密組織の歴史と現状を客観的にまとめている良書だ。〈冷戦が終わったあと、イスラム過激派が、陰謀の主役にとって代わった。それでもフリーメイソンの陰謀論は、やはり伏流している。/フリーメイソン陰謀論、ユダヤ陰謀論のたぐいの書籍が、堂々と売られているのは、日本ぐらいかもしれない。

  • ハプスブルク帝国史の「もし」

    Book Reviews 知を磨く読書
    ハプスブルク帝国史の「もし」

    2017年09月09日号  

    岩﨑周一著『ハプスブルク帝国』を読むと、この帝国の面白さに引き付けられる。例えば1948年の革命だ。〈プラハでは知識人と小市民層が革命の担い手となり、チェコ諸邦の共通議会の設立、チェコ語とドイツ語の同権化などを認めさせた。その指導者となったのは、「チェコ民族を死から蘇らせる」ことを目指した歴史研究から出発し、徐々に政治への関与を深めていったフランティシェク・パラツキーである。

  • 知識を本当に身に付けるには

    Book Reviews 知を磨く読書
    知識を本当に身に付けるには

    2017年09月02日号  

    キャシー・ハーシュ=パセック、ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ著『科学が教える、子育て成功への道』は、子どもの教育について関心を持つ人にとっての必読書だ。〈デジタル技術は一人ひとりに合うような学び方、いわば学習のカスタマイズという恩恵をもたらした。

  • 時間がかかるのは損

    Book Reviews 知を磨く読書
    時間がかかるのは損

    2017年08月26日号  

     尾形聡彦著『乱流のホワイトハウス』は、米国事情に通暁した著者にしか書けない優れた現状分析の書だ。〈軍事衝突の際に危険なのは、関係者たちが過激なレトリックを繰り返し、緊張が高まっていき、偶発的な計算違いが起こって、実際の戦闘に発展するケースだ。

  • 日本の思想状況の貧しさ

    Book Reviews 知を磨く読書
    日本の思想状況の貧しさ

    2017年08月12日号  

    山崎行太郎著『ネット右翼亡国論』は、保守派の哲学者・文芸批評家によるネット右翼、ポストモダン思想などの「軽さ」を厳しく批判した知的刺激に富んだ作品だ。山崎氏は存在論的思考に共感を寄せ、〈存在論を内在化していない思想家や学者、文化人に、私は、本質的な関心はない。

  • 手ごわいフェイクニュース

    Book Reviews 知を磨く読書
    手ごわいフェイクニュース

    2017年08月05日号  

    平和博著『信じてはいけない』は、現在、世界的規模で深刻な問題をもたらすフェイクニュース(偽ニュース)を総合的に分析した優れた作品だ。〈主要メディアや専門のネットメディアが、ネットに拡散するフェイクニュースについて、事実関係を確認した上で、排除していく。

  • ロシア人の意識と使命感

    Book Reviews 知を磨く読書
    ロシア人の意識と使命感

    2017年07月29日号  

    守屋淳著『もう一つの戦略教科書「戦争論」』は、クラウゼヴィッツの名著『戦争論』をビジネスに活かそうとする意欲的な作品だ。クラウゼヴィッツの基本概念を次のように翻訳する。〈「戦略」──戦闘力の配分を決める/「戦術」──戦闘の仕方を決める/わかったような、わからないような指摘ですが、会社で考えるととてもわかりやすくなります。

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記者の目

  • 編集長 深澤 献

    個別株は禁止だけど、仮想通貨は?

    当編集部の部員は社内規定で個別株の売買を禁止されています。株価を左右するようなスクープネタをつかんだ場合、“インサイダー”になりうるからです。
     一方、一記者の力ではどうにも操作できない外国為替取引などは禁止していません。その意味では、仮想通貨についても対象外なのですが、ちょっとした情報でも急騰を招く今の過熱ぶりを見て、扱いに迷っています(校了直前に↓の原稿を読み苦笑しました)。
     もっとも、誰も知らないネタがあるなら、それを基に私腹を肥やそうとたくらむ前に、とっとと記事にして世に知らしめたいと考えるのが記者という生き物。ルールで縛るのも必要ですが、「何に喜びを感じる集団であるか」が一番大事だったりします。

  • 編集部 田上貴大

    〝爆騰〟ビットコインには手を出せずじまい

    「田上さんも買ってみてはどうですか?」
     今年9月、特集に向けて動き始めたころの話です。ある仮想通貨取引所の役員にビットコインを勧められました。
     当時は1ビットコイン=約45万円。すでに「これはバブルですよ」という声もチラホラと耳にしていたので「30万円台まで下がったら買おうか」と皮算用をしていました。
     残念ながら、その後の3カ月で価格は右肩上がり。時々で「70万円まで戻ったら買おう」「90万円まで戻ったら、そのときこそ……」と淡い期待を寄せるも思いは届かず。結局、幾つか通貨は買えども本丸の〝爆騰〟ビットコインには手を出せずじまいでした。
     バブルか否かの議論はさておき、私は投資そのものに不向きなようです。

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