記事一覧:Book Reviews 知を磨く読書161

  • 着目すべき北極海の重要性

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    着目すべき北極海の重要性

    2017年10月28日号  

    ジェイムズ・スタヴリディス著『海の地政学』は、米海軍大将(退役)で前NATO(北大西洋条約機構)欧州連合軍最高司令官の著者による優れた地政学書だ。スタヴリディス氏は北極海の重要性を強調する。〈二〇四〇年には一年中通行が可能になり、さらに一〇年後には北極を覆う氷はなくなるだろう。

  • 刑務所暮らし経験者の本音

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    刑務所暮らし経験者の本音

    2017年10月21日号  

    橋爪大三郎著『世界は四大文明でできている』は、組織でリーダーとなる人が知らなくてはならない文明観について、学術的水準を落とさずに注意しつつ、分かりやすく書いている。〈ビジネスも、政治や軍事や外交も、学術交流も、人間のやることです。

  • 地図から浮かぶ歴史のリアル

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    地図から浮かぶ歴史のリアル

    2017年10月14日号  

    地図には多くの情報が埋め込まれている。外川淳著『地図から読み解く戦国合戦』は、地図を丹念に読み込むことによって、戦国合戦をリアルに再現した名著だ。関ヶ原の戦いで東軍(徳川方)が勝利する上で重要な役割を果たしたのが西軍(豊臣方)から寝返った小早川秀秋だ。外川氏は、秀秋の参謀だった稲葉正成の決断と行動について詳細に分析する。

  • ケータイによる日本語の乱れ

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    ケータイによる日本語の乱れ

    2017年10月07日号  

    サイモン・ホロビン著『スペリングの英語史』は、携帯メールの普及によるスペリングの変化についてこんな見方を示す。〈2006年のスコットランドのスタンダード・グレード(訳注:かつて行なわれていた中等教育課程)試験の試験官は、いくつかの問題が携帯メール使用に起因しうることを報告した。

  • ルター宗教改革の根幹

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    ルター宗教改革の根幹

    2017年09月30日号  

    おおたとしまさ著『名門校「武蔵」で教える東大合格より大事なこと』は、武蔵中高の教育を肯定的に書いた広報的性格が強い本だ。〈武蔵では中三で第二外国語が必修だ。ドイツ語、フランス語、中国語、韓国朝鮮語から選択する。これまた大学受験にはおよそ関係がない。

  • 社会に活力をもたらす対策

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    社会に活力をもたらす対策

    2017年09月23日号  

    湯浅誠著『「なんとかする」子どもの貧困』は、観念論を排して現実的に思考し、実効性のある提案をしているところに特徴がある。湯浅氏は、格差を全面的に否定しているのではない。〈個人レベルでは、ある程度の格差は努力の源泉になる。「自分だって、やってやる」と。

  • 日本のフリーメイソン陰謀論

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    日本のフリーメイソン陰謀論

    2017年09月16日号  

    橋爪大三郎著『フリーメイソン』は、この秘密組織の歴史と現状を客観的にまとめている良書だ。〈冷戦が終わったあと、イスラム過激派が、陰謀の主役にとって代わった。それでもフリーメイソンの陰謀論は、やはり伏流している。/フリーメイソン陰謀論、ユダヤ陰謀論のたぐいの書籍が、堂々と売られているのは、日本ぐらいかもしれない。

  • ハプスブルク帝国史の「もし」

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    ハプスブルク帝国史の「もし」

    2017年09月09日号  

    岩﨑周一著『ハプスブルク帝国』を読むと、この帝国の面白さに引き付けられる。例えば1948年の革命だ。〈プラハでは知識人と小市民層が革命の担い手となり、チェコ諸邦の共通議会の設立、チェコ語とドイツ語の同権化などを認めさせた。その指導者となったのは、「チェコ民族を死から蘇らせる」ことを目指した歴史研究から出発し、徐々に政治への関与を深めていったフランティシェク・パラツキーである。

  • 知識を本当に身に付けるには

    Book Reviews 知を磨く読書
    知識を本当に身に付けるには

    2017年09月02日号  

    キャシー・ハーシュ=パセック、ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ著『科学が教える、子育て成功への道』は、子どもの教育について関心を持つ人にとっての必読書だ。〈デジタル技術は一人ひとりに合うような学び方、いわば学習のカスタマイズという恩恵をもたらした。

  • 時間がかかるのは損

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    時間がかかるのは損

    2017年08月26日号  

     尾形聡彦著『乱流のホワイトハウス』は、米国事情に通暁した著者にしか書けない優れた現状分析の書だ。〈軍事衝突の際に危険なのは、関係者たちが過激なレトリックを繰り返し、緊張が高まっていき、偶発的な計算違いが起こって、実際の戦闘に発展するケースだ。

  • 日本の思想状況の貧しさ

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    日本の思想状況の貧しさ

    2017年08月12日号  

    山崎行太郎著『ネット右翼亡国論』は、保守派の哲学者・文芸批評家によるネット右翼、ポストモダン思想などの「軽さ」を厳しく批判した知的刺激に富んだ作品だ。山崎氏は存在論的思考に共感を寄せ、〈存在論を内在化していない思想家や学者、文化人に、私は、本質的な関心はない。

  • 手ごわいフェイクニュース

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    手ごわいフェイクニュース

    2017年08月05日号  

    平和博著『信じてはいけない』は、現在、世界的規模で深刻な問題をもたらすフェイクニュース(偽ニュース)を総合的に分析した優れた作品だ。〈主要メディアや専門のネットメディアが、ネットに拡散するフェイクニュースについて、事実関係を確認した上で、排除していく。

  • ロシア人の意識と使命感

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    ロシア人の意識と使命感

    2017年07月29日号  

    守屋淳著『もう一つの戦略教科書「戦争論」』は、クラウゼヴィッツの名著『戦争論』をビジネスに活かそうとする意欲的な作品だ。クラウゼヴィッツの基本概念を次のように翻訳する。〈「戦略」──戦闘力の配分を決める/「戦術」──戦闘の仕方を決める/わかったような、わからないような指摘ですが、会社で考えるととてもわかりやすくなります。

  • 日本人の思考の鋳型

    Book Reviews 知を磨く読書
    日本人の思考の鋳型

    2017年07月22日号  

    芳沢光雄著『かしこい人は算数で考える』では、〈「yはxの関数」という1つの変数による関数の学びは中学そして高校でいろいろ扱うものの、「zはxとyの関数」という2つの変数による関数は扱われません。要するに1変数の関数は学ぶものの、多変数の関数の学びは大学で主に理系の数学を履修しなければ学びません。

  • 保守派論客が見た明治憲法

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    保守派論客が見た明治憲法

    2017年07月15日号  

    渡部昇一著『知的人生のための考え方』は、今年4月に亡くなった保守派の論客、渡部昇一氏のエッセー集だ。〈明治憲法はいまから見ると、さまざまな欠陥がある憲法だったのです。その代表例が、首相とか内閣総理大臣という言葉が明治憲法には一言も出てこないことです。/(中略)明治憲法の条文だけを絶対的に見るならば、首相の地位も権限もなく、それは実に頼りないものとなるのです。

  • 象徴天皇制と生前退位問題

    Book Reviews 知を磨く読書
    象徴天皇制と生前退位問題

    2017年07月08日号  

    石川結貴著『スマホ廃人』を読むとネット社会の落とし穴がどこにあるかが分かる。〈就活生が利用する各種の就職情報サイトでは、「何気なくつぶやいた一言や、ウケをねらった写真が就活失敗の原因」、「NG投稿で人生を棒に振る」といった注意書きも散見される。

  • 情報を扱う仕事の最大の武器

    Book Reviews 知を磨く読書
    情報を扱う仕事の最大の武器

    2017年07月01日号  

    伊藤誠二著『痛覚のふしぎ』を読むと「痛み」という現象の意味がよく分かる。〈ヒトの場合はどうなのでしょう。痛みはどのような行動が自分に利益をもたらすのか、避けるべきなのかを判断する信号となります。痛みに関する学習とその罰は行動の意思決定に重要な影響を及ぼします。

  • 師弟関係こそ教育の神髄

    Book Reviews 知を磨く読書
    師弟関係こそ教育の神髄

    2017年06月24日号  

    雨宮処凛著『女子と貧困 乗り越え、助け合うために』は、女性の貧困の実態を丹念に取材している優れたノンフィクションだ。キャバクラ嬢の置かれている状況に関する記述が衝撃的だった。〈なんでも、現在の業界では月収20万を超えていれば「稼げてる方」なのだという。

  • 高校レベルの基礎の大切さ

    Book Reviews 知を磨く読書
    高校レベルの基礎の大切さ

    2017年06月17日号  

    井手英策著『財政から読みとく日本社会』は子ども向けに書かれた本だが、社会人、ビジネスパーソンにとっても十分に役立つ優れた内容だ。〈大人たちは、きびしい財政事情を心配するあまり、人間のくらしを犠牲にし、人びとにうたがいのまなざしを向けることになれてしまいました。

  • 嫌韓本と一線を画す韓国ルポ

    Book Reviews 知を磨く読書
    嫌韓本と一線を画す韓国ルポ

    2017年06月10日号  

    牧野愛博著『ルポ 絶望の韓国』は、ちまたに溢れる「嫌韓本」とはまったく異質の丁寧な取材を積み重ねた優れたルポだ。韓国の外交官に女性が増えていることを、評者は本書によって初めて知った。〈同部(韓国外交部)によれば、一九九〇年代までは男性合格者が七割を超える年もあったが、二〇〇〇年代から女性合格者が毎年過半数を占めるようになった。

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記者の目

  • 編集部 宮原啓彰

    不惑を迎えた友人たちの「焦り」

     今年、不惑を迎えましたが、この2〜3年、同年代の友人で持ち家を持たない人たちが、駆け込むようにマイホーム購入へ動きだしました。できれば30代のうちに、という焦り(?)が背中を押したようです。
     共働き世帯が大半を占めるため、希望は「職住近接」物件。つまり都心のマンションでした。ですが、この高騰で、親の資金援助でもなければ、おいそれと買うことはできなかったようです。
     そして現在。都心を諦め郊外のマンションを買った人、都市部の建売戸建てにした人、値下がりを待ちつつ今も探している人と、答えが分かれました。どれが正しいのかは誰にも分かりませんが、特集が悩める住まい探しの一助になれば幸いです。(宮原)

  • 編集長 深澤 献

    多士済済の管理組合メンバー

     社会人になってからはずっとマンション暮らし。この生活に慣れ過ぎて、もはや庭付き一戸建てへの憧れもなくなりました。
     20年前に買った今のマンションは、21戸と小規模ながら、管理組合がなかなか多士済済。大型建造物に関わるエンジニア、理詰めの化学メーカー研究者、お金に厳しい国税局査察部のマルサもいたり、一時は夜のテレビニュースのキャスターもいて、彼が総会の司会だとスムーズに話が進んだものです。私も本誌のマンション特集で知識を仕入れ、情報提供役に回ります。
     こうした布陣で、大規模修繕工事を高品質・低コストで仕上げ、管理会社の変更による管理費の大幅削減もやってのけました。一戸建てではできなかった経験です。

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