「週刊ダイヤモンド」11月30日号は、自動車販売台数世界一の巨大企業、トヨタ自動車を特集しました。

 リーマンショック、大規模リコール、東日本大震災、タイ洪水、超円高――。トヨタは2008年以降、繰り返し地獄を見ました。数々の試練を経て、14年3月期は6期ぶりの過去最高益が現実味を帯びています。14年ぶりの大政奉還で09年に就任した豊田章男社長はトヨタの何を守り、何を変えたのか。本特集は業績回復の裏側に迫りました。

 特集最大の目玉は、公の会見からは掴み切れない豊田社長の「本音」です。人事、新規投資、クルマづくり――。「原点回帰」を唱える豊田社長は何を思うか。本人に直撃しました。

 5期連続で年間3000億円をひねり出した”新”原価低減、豊田社長が仕掛けた幹部人事、「つまらない」と言われてきたトヨタ車の変化――本特集では、そのすべてを詳細に明かしています。

 業績が回復したからといって、トヨタも周囲も浮かれてはいられません。お膝元である中部地域は、トヨタが取り組む生産拠点の合理化と新たな開発戦略から、ダメージを受けます。下請けメーカーの経営者たちが覆面座談会で赤裸々に語るものづくり現場の実態は、トヨタにとって”不都合な真実”です。

 特別付録は、トヨタの原点に学ぶ「片づけ方」と「ムダ取り」。デスクワークのビジネスマンも必見です。

 さてさて、大きな挫折を経験し「原点回帰」を掲げた巨人は本当に再生したのか。本特集をとくとご覧あれ!

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 臼井真粧美)