食へのカネの使い方は、人間の本性に基づく。懐が暖かくなると、外食支出や飲酒に費やす資金が増える。この変化から景気動向が見えてくる。調理食品の支出比率の拡大は、夫婦共働きや単身家庭が増え、高齢化が進む日本社会の現状を映す。外食や小売業は、この変化に対応し、商品の安全・安心度を高めている。食料の輸出入の増加は経済のグローバル化そのもので、日本が開かれた国であることを示すが、その結果、自給率は低下。周囲は好漁場なのに、いつのまにか水産物でも輸入大国になっている。しかし、「食料は、ある一線を越えて不足すると、市場不全になる可能性がある」(生源寺眞一・名古屋大学大学院教授)。世界的危機となれば食料輸出を禁止する国が出て、資金があっても国民全体の食欲を満たせない事態が考えられる。この市場の限界を考えれば、自給力を考慮した国家戦略と政策が望まれる。開放経済と両立させるには、国内外の供給ルートを多様化し、比較優位の食料輸出力を確保しておくことである。

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