消費者物価上昇率2%の物価目標を掲げる政府・日本銀行の取り組みは、これまでのところ財政出動や金融緩和の強化など、総需要の喚起策が中心となっている。日本のデフレには二つの重要な特徴がある。第1に、デフレが長期にわたっていること。1990年代半ば以降、15年以上にわたって物価下落が続いており、長期デフレといってよい状況にある。しかしデフレの速度という観点で見ると、マイナス幅は大きいときでも2%であり、均して見れば1%弱に過ぎない。その意味で日本のデフレは緩やかといえる。これが第2の特徴だ。世界におけるデフレの事例は極めて限られているが、米国の大恐慌期のデフレと比べると、この二つの特徴はより明らかとなる。31年から33年にかけて米国の物価水準は下落したが、その速度は年率8%超である。一方、デフレ自体は約2年で終息しており、継続期間は比較的短い。この二つの事例は国も違えば時代も違うので、デフレ率と継続期間の彼我の差が何に起因するのかを特定するのは容易ではないが、原因の一つと考えられるのが、メーカーや流通業者の価格設定行動の違いである。

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