企業の延命ルール消滅以外にも、倒産リスクを高める三つの内憂外患が企業に迫る。

 二つ目のリスクは人手不足だ。サービス業や建設業を中心に従業員が集まらず、現場がボロボロになって事業が続行できなくなり、倒産に至るケースが増えている。

 三つ目のリスクは自営業者の高齢化。後継者不在が原因の廃業・倒産が続出している。

 四つ目のリスクは米中貿易戦争である。中国での受注急減や世界経済の減速懸念が急速に高まっている。経済産業省の幹部は、「仮に米大統領がトランプ氏から代わっても、米中対立の構図はそのまま」との見方を示す。米国民は貿易赤字の削減を支持しており、中国に圧力をかける以外に代替策がないことがその理由だ。

 米中貿易戦争が恒常化するとすれば、中国を生産拠点として米国に輸出して稼ぐ従来の日本型モデルは抜本的に見直しを迫られる。資金的、能力的に対応できない企業は今後バタバタと倒れるだろう。

過去2回のランキングで
ワースト20企業の生存確率は20~35%

 こういった時期だからこそ、『週刊ダイヤモンド』では6年ぶりに倒産危険度ランキング特集を復活することにした。前回(13年1月26日号)と、前々回(08年10月4日号)で取り上げた倒産危険度ワースト20が、その後どうなったかを検証したのが次の表だ。

 倒産した企業は12年、08年とも5社だった。これとは別に上場廃止となったのは12年が5社、08年が7社。社名を変えることもなく、株式市場にそのまま生存できている確率は、12年が35%、08年が20%という結果になった。

 倒産危険度ランキングは過去の財務データを基に計算したもので定性的な情報は考慮していない。あくまで企業の経営体力や健全性を評価する一つの指標にすぎない。

 ただ、今回本誌が特集でまとめた最新版の倒産危険度ランキングのワースト10に限れば、財務諸表に注記される「継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)に関する疑義」が付いたのは6社に上る。これは監査法人がお墨付きを与えた「危険信号」だ。