『週刊ダイヤモンド』10月13日号の第1特集は「新宗教の寿命」です。新宗教界にとって「平成」は激動の時代でした。オウム真理教が、後の凶悪事件に繋がる衆院選に打って出たのは平成2(1990)年のことです。今特集では、現代の新宗教界を象徴する3教団、創価学会と立正佼成会、そして真如苑に加え、存亡の危機にある主要教団のビジネス(布教)戦略を明らかにし、そのカネと権力、政治のタブーに迫ります。また、普段は表に出ない主要教団の教祖や大幹部の実名インタビューを敢行。機関紙には載らない「教団の未来」を語ってもらいました。ここでは、“公称”信者数1100万人、タレントの清水富美加さんの出家でも話題となった、幸福の科学幹部・里村英一専務理事のインタビューを掲載します。

衰退説に猛反論
「業績、信者数とも過去最高」

さとむら・えいいち/1960年新潟県生まれ。テレビ局を経て91年に教団に奉職。広報局長などを経て現職。Photo by Michiio Nakagawa

――新宗教を取り巻く環境についてどう認識していますか。

 科学や医学が進歩する一方で、宗教に救済力がなくなっている。近年の自然災害もあり、人間の根源的な答えを求めるニーズは高

まっているにもかかわらず、宗教教団が「あの世」や「霊」の話をすると、霊感商法などと批判される。

――「あの世はある」と?

 はい。それは幸福の科学の教えの「一丁目一番地」であり、真理です。今、あらためてこうした基礎的なことを説くべき時代になったと思っています。

 若者の活字離れが進む中、書籍でミリオンセラーを出すのは難しくなっている。一方、映画であれば100万人の観客動員も可能です。多くの人々に分かりやすく伝えるため、近年は映画に力を入れています。

――映画の観客動員数を上げるために信者を動員したりするんですか。

 多くの人に見てもらうため、各支部で目標は持っていると思います。

――信者によっては同じ映画を20~30回も見ると聞きましたが。

 好きな人は何回でも見ます。

――今後の映画製作の予定は。

 基本的には年間2本ペース。この先も10作品ぐらい(公開が)決まっています。

――ところで、現在の信者数は。

 国内1100万人、海外100万人で、毎年、増え続けています。

――2010年の取材時も国内信者数は、1100万人と言っていましたが。

 実際には1100万人よりも増えていますが、現在の信者数を発表していないということです。

――信者数1100万人は、経典「正心法語」の累計発行(授与)部数ですか。

 はい。

――さらに一段上の(いわゆる洗礼に相当する)「三帰誓願」を行った信者数は何人ですか。

 そういう数字は集計していません(編集部注:後日、教団から「集計しているが、内部情報なので公開できない」と訂正)。

――選挙での幸福実現党の比例得票数は20万~30万票です。実際の信者数はそれぐらいではないのですか。

 幸福の科学は、創価学会と違い、信者だからといって幸福実現党に投じるとは限りません。しかし、来年の参議院選挙は立党10周年という大事な節目なので、すごく力を入れることになります。

総裁の離婚騒動は
信者離れを招いたか

――大川隆法総裁の離婚騒動が信者離れを招いたとの指摘もあります。

 全く違います。数字は公表できませんが、離婚後、教団収入は過去最高を更新し続けています。信者の信仰の対象は大川総裁であって、大川きょう子氏ではありませんから。

――しかし、大川きょう子氏のことを過去には文殊菩薩であり(ギリシャ神話の女神の)アフロディテと言っていたはずでは。

 そういうことは言ったにしても、信仰対象は総裁以外にあり得ません。

――現在の総裁の妻、大川紫央氏は何の生まれ変わりなんですか。

 意外ですけど、坂本竜馬。

――男なんですけど……。

 それぞれの時代で活躍しやすいように、あえて性別を変えて生まれ変わる人は多いんです。

――坂本竜馬なら来年の参院選に出馬する可能性がありますね。

 それはないと思います。

――霊言ができるのは大川総裁だけだと後継者が心配ではないですか。

 2014年から霊言ができる「スピリチュアル・エキスパート」という霊能者たちが弟子の中から出てきて、現在、十数人います。大川総裁の近くで仕事をすることで、磁石の近くにあるものが磁力を持つように能力が開花したのだと思います。

――大川総裁がいなくても霊言ができるんですか。

 基本的には大川総裁の目の前でしかやりません。(あの世から)降りてくる霊の中には、本人の守護霊のふりをしている危険なものもあるので、大川総裁がまずは本物かどうかを見極め、その後、弟子に引き継いで、霊言を行っています。

――大川総裁の後継者はスピリチュアル・エキスパートの中の誰かということですか。

 それはまだ決まっていません。

新宗教は世相を映す鏡
その姿から現代社会が見えてくる

『週刊ダイヤモンド』10月13日号の第1特集は「新宗教の寿命」です。御代替わりを前に、新宗教界もその節目を迎えています。7月に麻原彰晃(松本智津夫)ら教団幹部に死刑が執行されたオウム真理教はもちろん、最強教団・創価学会も重病説が流れるカリスマ、池田大作名誉会長の“Xデー”が日に日に近づいています。

 その学会を母体とする公明党は昨年11月の衆院選に続き、5000人の活動員を投入したとされる「総力戦」となった9月の沖縄県知事選でも敗北。教団内では目下、末端の信者にも及ぶ“粛清”が起きています。その創価学会の不倶戴天の敵で新宗教界の事実上のナンバー2、立正佼成会も93年には654万人いた信者をその半分以下に減らしました。

 本特集では、今の新宗教界を象徴する3教団、創価学会と立正佼成会、そして真如苑を始め、存亡の危機にある新宗教の主要教団のビジネス(布教)戦略を明らかにし、そのカネと権力、政治の最前線に迫ります。新宗教は、いわば世相を映す鏡。その最前線を知れば現代社会が見えてきます。

(週刊ダイヤモンド編集部『新宗教の寿命』取材班)

2018年10月13日号[ 710円 ]

表紙
特集

新宗教の寿命 伸びる教団 縮む教団

Prologue
創価学会をも襲う構造不況 新宗教は日本社会の縮図だ

Part 1
カリスマの軛で内部崩壊の足音 “最強教団”創価学会の焦り

Part 2
ニッポンの未来を暗示する 立正佼成会の“旧態依然”

Part 3
新宗教のロールモデル!! 時代を捉えた真如苑システム

Epilogue
真如苑が示したブルーオーシャンの暗部