五木寛之著『七〇歳年下の君たちへ』は、灘高校の生徒と早稲田大学文化構想学部の学生と著者のやりとりをまとめたユニークな作品だ。灘高生に五木氏は、〈人間について言えば、僕は人間嫌いという一面もあるんです。一人でいるのが一番楽。それでいて、孤独なままでずっと生きていることは苦しい。/もしも自分にとって小説の意味があるとしたら、ただ小説というものを通じてのみ、見えない仲間とコミュニケートできるという感覚はあるんです。やっぱり一人ではキャッチボールはできないから、小説という投げたボールを受け止めてくれ、またこっちへ投げ返してくれる人はどこかにいるのだろうか、どうやら誰かがいてくれているようだ、という漠然とした感覚が読み手への思いとしてあります〉と言う。小説でもノンフィクションでも作家の仕事は基本的に孤独である。表現を通じて読者とコミュニケーションを取ることが作家にとって喜びであり、憩いでもある。

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