新庄耕著『カトク』は、厚生労働省内に設けられた過重労働撲滅特別対策班(通称、カトク)の活動を描いた小説だ。幾つものエピソードを通じ、日本で働き過ぎが文化として定着していることが分かる。〈どうして日本が大国になれたか。どうして世界から一目置かれたか。シンプルだよ。必死にやったんだ。家族のために国のために、寝る間も惜しんで一所懸命に働く。ものがなくとも文句を言わず、知恵をしぼり、皆で力をあわせる。そうやって耐えがたき状況を耐え、砂をかむような思いで皆が泥臭くやったからこそ、ここまでのしあがれたんだ〉というような、過去の栄光に縋る精神主義が諸悪の根源のように思える。

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