『太陽を創った少年』に好感を持ったのは、この本が単にTEDトークで観衆を沸かせる天才少年の成功譚として自己完結しているのではなく、「天才を子供に持った両親は何をなすべきか」という教育論にもなっていたことだ。ジャケットに写るテイラー少年は、原子核物理学に強い興味を示すようになり、山へウランの採取に行き、成長とともにやがて自宅のガレージで原子炉を作ろうとする。ウェブで放射性物質マニアの大人たちと闊達に意見交換し、大学教授にも才能を認められ、その研究発表は賞を取る。だが真の主役は彼の両親だろう。休日にテイラーの鉱物採集に付き合い、良い学校へ通わせようと引っ越しを決意し、彼の熱意を理解しようと努める。天才の子供を持つ親は多い。本書はそうした親たちへのエールになっている。その丁寧な筆致が胸を打つ。

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