腕時計のアラームで目を覚ますと、北村は寝袋の中で、指先を動かして血行を促した。フルフェイスの防寒用マスクと毛糸の帽子を被っていたが、夜明け前の寒さは尋常ではない。春まだ遠い磐前県内で暖房もなく冷たい床に転がっているのだ。体の芯まで凍てつく寒さは、火の気なしでは耐えられるものではない。ゆっくりと時間をかけて全身をほぐし、寝袋から這い出た。そして、寝袋を丁寧に丸めると靴下を二重にはいて駐車場に向かった。

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