東京の街は、どこもくすんでいた。数日ぶりだったにもかかわらず、芝野は、震災の暗い影がより広がっているのを感じた。節電のせいだ。駅の構内は照明の大半を消している。春の日差しがあるとはいえ、施設全体に光は行き届かず、グレーの霞が漂っているように見える。ネオンや電光表示も止まっていて、街から色彩が消えてしまった。どこに行ってもエスカレーターは止まっていて、街が機能不全に陥った印象だ。

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