あなたの退職金・年金が危ない

 『週刊ダイヤモンド』10月22日号の第1特集は「退職金・年金 知りたくなかった禁断の数字」です。退職金はここ10年で平均額が激減し、公的年金も支給額の抑制が待ったなしの苦境にあります。老後生活の2本柱に何が起こっているのか。その裏側に迫るとともに、自らの力で資産を積み立て、退職金を守り増やすすべを徹底解説します。

 定年退職したら、退職金と公的年金でのんびり過ごす――。そんな時代はもはや終わりを告げたのかもしれません。今、老後生活の2本柱が大きく揺らいでいます。

 企業から支払われる退職金はこの10年で約500万円減少しました。退職金を年金の形で受け取る企業年金も運用利率が大幅に低下して、うまみはすっかり減ってしまいました。

 そもそも退職金を支給している企業はまだましな方で、制度自体を廃止するところが続出。最新の調査では、この半世紀で初めて退職金制度を導入している企業の割合が80%を割り込み、4社に1社が退職金制度なしの企業になってしまいました。

 日本の退職金制度は大きな転換期に直面しているが、年金制度もまた、状況は悪化の一途をたどっています。

持続性が問題視されて
日本の年金制度は世界ワースト2位

 海外の年金制度と比べると危機にひんしているのが一目瞭然です。

 このほど明らかとなった、人事コンサルティングの世界大手、マーサーがまとめた最新の「グローバル年金指数ランキング」において、日本の年金制度は27カ国中26位。中国、メキシコ、インドよりも低い世界ワースト2で過去最悪を記録しました。

 日本の下には2001年にデフォルト(債務不履行)に陥ったアルゼンチンしかいないという体たらく。制度の持続性が問題視されたようです。100年安心をうたう日本の年金制度ですが、それをうのみにする日本人がほとんどいないのも当然といえ、年金支給額の抑制は待ったなしの情勢です。

 また、これまで安泰とされてきた公務員も例外ではありません。民間より優遇されていた〝公務員特権〟を次々と剝奪され、負担増の嵐に見舞われています。

 老後生活の2本柱が揺らぎ、不安に満ちている日本の退職後の世界。老後に備えていかにして資産を築いていけばいいのでしょうか。

 本特集では不透明感を強める退職金と公的年金の激変事情を明らかにしつつ、自らの力で資産を積み立てるために必須の「資産形成の秘密数式」を伝授します。と同時に、3本目の柱になる可能性を秘めた〝最強〟の資産運用「確定拠出年金」についても詳しく解説していきます。3本柱を知れば老後生活も危うからず、です。