対応が厄介なのは個人でなく企業

『週刊ダイヤモンド』11月21日号の第1特集は「マイナンバー最新対策」です。

 住民一人一人に割りふられた12桁の個人番号。その通知カードの配達をめぐって今、不安や困惑が広がっています。

 ただし、通知カードにびくつく必要はむろんありません。通知カードが届いたら当面、なくさないよう大事にとっておいてください。大企業の皆さんは、勤務先から「通知カードが届いたら、コピーを送付するように」と「マイナンバーキット」を渡されているかもしれません。その手続きに従うだけです。

 なお、個人番号カードを持っていると、いろいろな提出手続きがラクになります。希望する人は2016年1月以降、交付申請してください。

 厄介なのは、個人ではなく、企業のほうの対応です。すべての企業は2016年1月以降に順次、税と社会保障の分野の手続きで、個人番号を使うようになります。

 その取り扱いには、「番号の利用目的をはっきりさせないとダメ」「番号がその人のものと確認しないとダメ」「きちんと安全に管理、保管、破棄しないとダメ」と、さまざまな制約が課せられます。

 しかも、漏えい、不正提供などしようものなら、厳しい罰則が設けられています。個人情報保護法などとは比べ物になりません。大きな重圧がかかるのです。

 こうして対応に翻弄される企業のドタバタ事情を、外食、小売り、銀行、保険、製薬、病院、電力、通信、建設、介護、大学の各業界で追いかけました。

 企業のマイナンバー対応は、ビジネスチャンスとなるのも確かです。50万円近くの顔認証ロック付き金庫は売り上げ倍増、鍵付きアタッシュケース、パーテーションなども飛ぶように売れています。

 いっぽう対応システムの特需で、恵まれているはずのITベンダーは、食うか食われるかの白兵戦に突入、地殻変動のただ中にあります。税理士や社会保険労務士なども、制度対応できないと仕事を奪われる死活問題となっています。

 企業のマイナンバー対応がさらに厄介なのは、「正しい対策」「賢い対策」の中身が変わってきていることです。10月に入って以降も突如、ガイドラインが改定され、また社会保険などの新たな注意ポイントが明らかにされました。

 早くから着手していた大企業も安心していられません。2016年1月の実務開始が近づくにつれてクリアになってきた「最新対策」を徹底解説します。

「マイナンバー対応はまだ・・」という中小企業の皆さんも、頭を抱える必要はありません。まだ間に合います。おカネをかけずに、賢く対策する方法はあります。

 今、本当にやるべきことは何なのか? ぜひ、本特集をご一読ください。