時代は定期的にヒトラー・ブームを呼び込む。1970年代の第1次ブームでは、ヒトラーの非合理さやナチズムのキッチュさ(俗悪ぶり)が注目された。近年のブームでは、ナチ政権が進めた社会政策や環境政策の革新性が指摘されている。ただし、ヒトラーとナチの強烈な個性が世界を征服したという歴史観は、その時代に生きた人々にあったかもしれない責任を免罪しかねない。彼が政権を奪取したのではなく、時の権力がヒトラーとナチスを招き寄せたのだとしたら──。ナチに凡庸という悪を見たのは哲学者アーレントだが、本書はその悪を招くのはまた別の凡庸な悪であったことを強調する。

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