鵜飼秀徳著『寺院消滅』は、日本の仏教界の現実を等身大で伝える優れたノンフィクションだ。このままだと観光名所となっている寺院か、墓地や不動産経営で成功している寺院以外は近未来に消滅してしまうのではないかという不安を抱く。さらに本書では、細部の記述が興味深い。例えば、お布施の相場だ。〈葬儀の場合、東京ではスタンダードな額といわれる五〇万円を布施の一つの基準としよう。京阪神や名古屋などではその半分の水準(二〇万~三〇万円)とされ、地方都市だと一〇万円を切るところも多い。宝光寺のある石見地方では、先述のように三万~五万円という。東京の一〇分の一以下の水準だ〉。お布施にも新自由主義的な大きな格差が存在するのである。

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