「ブラック・ジャックの病気がないんですよ。アイデアが出ないんです」。そう言われても、原稿を待つ編集者にアイデアがあるはずもない。しかし、この一言に手塚治虫という人の気遣い、親しみ、完成度の高さへの貪欲さを感じ、編集者たちは嘆き、和むのです。『手塚治虫 壁を超える言葉』は、手塚プロダクション社長である著者が書き留めた手塚(てづか)の言葉とエピソードを紹介します。私はポスト手塚世代で、手塚治虫も「若くして亡くなった天才」という程度の認識でした。しかし、「神様」と呼ばれても、さらなる高みを目指した壮絶で人間くさい生きざまを示す言葉の数々には脱帽で、それを後世に伝えることこそが出版への思いであったかと感じます。

この
続きは

デジタルサービス<ウェブで読む>を利用する

ログインすると本サイトのすべての記事がお楽しみいただけます。
定期購読者の方で、デジタルサービスをお申し込みの方はログインしてください。

  • パソコン
  • タブレット
  • スマートフォン

ID・パスワードをお忘れの方

※著作権等の理由により、一部の記事・写真・図版が欠けている場合があります。