電力業界に、業界再編の波がやって来そうだ。きっかけとなるのは東京電力と中部電力が進める火力部門の事業統合を含めた包括提携交渉。地域独占に守られてきた電力業界の秩序は、一気に乱世に向かいそうだ。ガス会社なども含め、慌ただしくなり始めた各社の合従連衡の未来像を探った。 本誌・森川 潤、脇田まや

【Part1】 巨大”火力会社”誕生の裏側 

巨大な火力発電会社の誕生が現実化する。東京電力が計画する火力・燃料部門の包括アライアンスの交渉で、中部電力が優先交渉権を得ることになった。その全貌を明らかにする。

 8月中旬。お盆明けの夕暮れ時、東京都内のホテルに、数人の男たちが人目を忍ぶように入っていった。

 優美な庭で知られるこのホテルの一室で、電力業界の経営幹部4人がおもむろに向かい合い、緊張した面持ちで話し合いを始めた。

 その経営幹部とは、東京電力の數土文夫会長と廣瀬直己社長、中部電力の三田敏雄会長に水野明久社長。両社の会長と社長がそろい踏みでの会合は初めてだった。

 会合の席で、東電の數土会長が「アライアンスは国益にかなうものにしなければならない。互譲の精神で進めることが大事」と熱く語ると、三田会長も「民間同士の提携で、エネルギーコストの低減に努めたい」などと応じた。

 一体、両社の経営トップが一堂に会して、何を話し合ったのか。それは両社の火力部門における「包括アライアンス」。両社は、火力・燃料部門の事業統合を含む提携の交渉を詰めていたのだった。

 国内では、2016年にも電力市場が完全自由化され、18年からは、電力会社から発電部門と小売り部門を切り離す「発送電分離」が断行される見通しだ。世界を見ても、火力発電の燃料である液化天然ガス(LNG)などの資源獲得競争はどんどん激化している。

 来るべき競争時代を前に、前例のない事業統合に打って出ることで、世界の市場で生き残る──。

2014-10-11

この続きは本誌2014年10月11日号
「民法大改正 知らなきゃ損するサラリーマンの法律入門」でお読みいただけます。


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