『猟師の肉は腐らない』は、食べ物を大きく扱った読み物として、近来まれに見る傑作である。著者は自ら「発酵仮面」と名乗る、東京農業大学名誉教授で発酵学の権威、小泉武夫。渋谷の酒場で偶然出会った阿武隈山地の猟師を「先生」が訪ねることから話が始まる。それがノンフィクションにもかかわらず、冒険小説のような面白さ。2人は酒飲みだから、随所に「粕取焼酎」から「濁酒」まで登場する。「焼酎は、一本の熱い線のようになって食道から胃袋まで下がって行き、その辺りでピタリと納まると、今度は周りを一気に熱くさせた」など、酒飲みには堪らない表現だ。

この
続きは

デジタルサービス<ウェブで読む>を利用する

ログインすると本サイトのすべての記事がお楽しみいただけます。
定期購読者の方で、デジタルサービスをお申し込みの方はログインしてください。

  • パソコン
  • タブレット
  • スマートフォン

ID・パスワードをお忘れの方

※著作権等の理由により、一部の記事・写真・図版が欠けている場合があります。