「お荷物」社員の戦力化は
日本企業の最重要課題だ!

「あと5年ちょっとで、バブル入社世代が役職定年になる。彼らにどんな仕事を与えて、どう処遇すればいいのか。本当に頭が痛い」

 あちこちの企業で、経営者や人事担当者からそんな話を聞くことが多くなりました。50代以上のオジサンたちの活用は、もはや経営の最重要課題の一つなのです。

 週刊ダイヤモンド8月2日号「オジサン世代に増殖中!職場の『お荷物』社員」は、そうした背景から生まれた特集です。

 取材を進めていくうちに、お荷物社員が職場でいかに迷惑な存在になっているかが明らかになってきました。「のれんに腕押し」のように無気力な人、何でも頭ごなしに人の意見を否定する批評家のような人……。そんな年上の部下を持った40代管理職のストレスは頂点に達しています。

 しかし、50歳以上のオジサンたちが皆、お荷物というわけではありません。依然としてバリバリと働いている人もたくさんいます。

 また、お荷物と見なされている人たちが増えてしまったのは、大量採用とリストラを繰り返してきた企業側にも責任があります。一括して大量採用するだけしておいて、スキルアップの研修もろくにせず、都合が悪くなったらリストラ、というのでは、“使えない”オジサンが増えるのも当然。特集では、そうした企業の無為無策にもメスを入れました。

 一方で、中高年の人材活用を積極的に行っている企業の取り組みも紹介しています。定年延長でやる気を引き出したり、ジョブローテーションで多能化を図ったりと、参考になる取り組みが満載です。

 実は、何を隠そう私自身もバブル入社の世代です。それだけに、「バブル世代の処遇に悩まされている」という言葉は、身につまされます。

 しかし、だからといって、自分を卑下したりはしません。バブル世代だって、これからもっともっと会社や社会に貢献できると思っているからです。

 インタビューでお会いした三浦雄一郎さんの、こんな言葉に励まされました。

「70歳でエベレストに上るという目標を定めた途端、日常のすべてが一変しました。この一歩がエベレストの頂上につながっている。そう想像すると歩く一歩一歩の意味が変わってきたんです」

 われわれオジサン世代も、夢や目標を持てばもう一花咲かせられるはずです。読者の方にそんな勇気をお届けできたらと願っています。